オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スパイダーVSマン』

Spiders 3D, 90min

監督:ティボー・タカクス 出演:パトリック・マルドゥーン、クリスタ・キャンベル

★★

概要

クモ(対)人間。

短評

超話題作(にあやかった邦題オチ)のクモ映画。このタイトルとYoutubeでの期間限定無料公開が(一部界隈で)大変な話題を集めている一作なのだが、2013年の作品を掘り出してきてそれっぽい邦題をつけたというだけで、内容的にはパクリ要素皆無である。タイトル以外は特にネタにもならないごくごく無難なB級映画であるため、99%が“宣伝の勝利”といったところだろう。普通につまらなかったけれど、この映画の存在は忘れるまい。

あらすじ

隕石の衝突した衛星の破片がニューヨークに飛来。地下鉄の運行にも支障を来し、調査にいった駅員が感電死してしまう。この死因を不信に思った交通局のジェイソンは、死体にクモの卵が産み付けられていたことを知る。しかし、軍部がウィルス拡散の危険があるとして駅を封鎖し、ジェイソンもまた口を封じられそうになってしまう。

感想

屋外のシーンがほとんど同じ場所(=駅の出入口付近のセット)でばかり撮影されていることからも分かる通り、決して予算の多い作品ではない。しかし、クモに“毛”が生えていたり、卵を産み付けられた死体がグロかったりと、細部への拘りは感じられた。小さなクモから巨大なクモまで程よく暴れまわってくれており、B級映画としては手堅く仕上がっていた印象である。また、宇宙的神秘と科学者の陰謀の合体というスケールが大きくて収集がつなかくなりそうな話を、“娘の救出”の一点に絞ったのも地味ながらまとまりを生んでいた。

主人公の娘への誕生日プレゼントが“容量160GBの携帯音楽プレイヤー”という点に一昔前の感があるのだが、最新作に対抗した偽最新作であることがバレてしまう古さが悪い方にばかり作用しているわけではなかった。ジェイソンの娘エミリーを演じているのが、なんとシドニー・スウィーニーなのである(三十郎氏の彼女への関心は『ノクターン』と『観察者』の稿に詳しい。要はおっぱいである)。駆け出し時代の彼女をこんな予期せぬ形で拝むことができるなんて!エミリーは12才の誕生日を迎えたばかりという設定なのだが、そうとは思えぬ膨らみだった。

原題は『Spiders 3D』なのだが、特に3D的な演出はなかったように思う。強いて挙げるならば、冒頭の冒頭の衛星破壊シーンは3D向きかと思ったが、クモが糸を吐くシーンなんかも3D演出の対象なのだろうか。

サントラの販売があって驚いた。てっきりこの規模の低予算映画はフリー音源的なBGMでも使っているのかとばかり思っていた。失礼しました。