オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『大脱出3』

Escape Plan: The Extractors, 97min

監督:ジョン・ハーツフェルド 出演:シルヴェスター・スタローンデイヴ・バウティスタ

★★

概要

ミッション:悪魔砦から社長令嬢を救出せよ。

短評

シリーズ三作目。前作では“ほぼカメオ出演”だったスタローンが“主役かどうか怪しいレベル”くらいにまでは昇格していた。相変わらず壊滅的な脚本ではあったものの、前作の「どうしてこうなった」というガッカリ感はなく、“(クソクソ&クソだった)二作目の続編”としては納得のいく内容だったかと思う。「シリアスぶったポンコツ映画ほどつまらないものはない」という事実を思い出させてくれる、ネタにすらならない一作ではあったものの、前作よりはアクションがマシになっていたかと思う。

あらすじ

香港の企業がオハイオ州に進出しようとし、社長令嬢ダヤが現地視察に訪れていた。しかし、彼女は何者かに誘拐されてしまい、護衛バオのポケットに一つの名前──レイ・ブレスリンシルヴェスター・スタローン)──が残される。レイは盟友デローサ(デイヴ・バウティスタ)やダヤの元恋人シェンらと共にラトビアにある“悪魔砦”での救出任務に挑む。

感想

前作を観た時にも感じたことなのだが、“刑務所”という要素が何の意味も成していない。拉致された誰かを助けにいくという無数に転がっている話である。それでも前作は“謎のSF風刑務所”で個性を出そうとしていたが、本作では本当に何の意味もないし、それが刑務所であるのかすらよく分からなかった。ただの廃墟である。よくぞここまで設定を放棄できるものだと逆に感心する。

ダヤを誘拐した犯人は、一作目の裏切り者レスターの息子である。実はダヤの父が経営する香港企業こそが“本業のマネロンの傍らに秘密刑務所を運営する巨大テック企業”というよく分からない会社で、レスターJr.はその企業とレイの両方に恨みを抱えていた。ダヤの父には身代金を要求し、救出に来るであろうレイに復讐を遂げようとする一石二鳥作戦なのである。「香港企業はレイの敵でもあるのになぜ救出にいくの?」という疑問を誰もが覚えるだろうが、それを解消するためにレイの恋人アビゲイルも誘拐される。なお、「それならわざわざレイを呼び出す必要はなかったのでは?」という疑問には答えてくれなかった。

なお、真の敵であるはずの香港企業だが、こちらは特にお咎めなしで終劇となっている。もう何の話だったのかよく分からない。レイは恋人を殺されたのに「まあしゃあない」みたいなエンディングで、シェイの方が恋人とよりを戻すハッピーエンドになっているので、やはりスタローンが主役ではなかったということなのか。確かにスタローンの登場時間が相変わらず少なかったが、出番が増えるとギャラも増えるといった事情でもあるのだろうか。いずれにせよ、こんな映画を作るなんて世界にはお金が余っているものだと思う。

ストーリーは前作と同じレベルのどうしようもなさなのだが、アクションだけはクオリティ・アップしていたように思う。スタローンのナイフを使ったアクションがバイオレントで楽しかったり、クライマックスのレスターJr.との殴り合いで「俺の親父は云々」とウザ絡みする酔っ払いみたいになっているのも笑える。デイヴ・バウティスタが銃をぶっ放すだけでなく殴り合いするシーンがあるのも良かった。シェンのメイクが濃すぎておネエキャラみたいなのは気になったが、彼も中国人俳優らしく派手な動きのカンフーで楽しませてくれた。ただし、“傘”を武器にするというのは流石にパクリ感が……。

大脱出3(字幕版)

大脱出3(字幕版)

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