オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・ベビーシッター キラークイーン』

The Babysitter: Killer Queen, 102min

監督:マックG 出演:ジュダ・ルイス 、ジェナ・オルテガ

★★★

概要

ブラッドカルト、再び。

短評

シリーズ二作目かつ(恐らく)完結編。前作とは異なり、「実は……」という最低限のホラー要素もないスプラッター・コメディである。“理想のお姉さん(年下)”を満喫する楽しみが失われてしまったのは残念だったが、肉体破壊の豪快さは健在であった。阿呆路線が強烈過ぎて中盤までに人が死にすぎるというペース配分のミスはあったものの、最後に“ファンサービス”が待っていて嬉しかった。やっぱりビーは最高だぜ!

あらすじ

憧れのベビーシッターだったはずのビー(サマラ・ウィーヴィング)が引き起こした惨劇から二年。コールの話を信じる者は誰もおらず、学校では変人としてイジメられていた。ある日、彼は父が自分を精神福祉学校へと転校させようとしていることを知り、親友のメアリー(エミリー・アリン・リンド)に相談。彼らは学校から逃げ出し、週末を湖で過ごすことにするのだが……。

感想

今回の敵はメアリーちゃんである。あの可憐な美少女が……。ショックである……と言いたいところだが、演者は同じだがあまり可憐ではなくなっている。ティーンエイジャーにありがちな“背伸びしたセクシー路線メイク”があまり似合っているとは言えず、「だって有名になりたいんだもん」と悪魔崇拝の理由を口にするのが納得の外見となっていた。彼女が“二分間の天国”でチュッチュしてくれるのは素敵よりもビッチの感が強く、「憧れの相手が……」という転換の構図が前作ほど上手く機能しているとは言えなかった。

メアリーの他に彼女の恋人や友人たちが今回の悪魔崇拝者かと思いきや、なんと前作で壮絶な死に様を披露したアリソン(ベラ・ソーン)たちが復活。相変わらずの超ド級の阿呆ぶりや爆笑ものの死に様を披露してくれる。ただし、“年配組”と“若者組”に分かれて行動するため、年寄りたちは再び阿呆な死に様を披露するためだけの復活となっている。ある者は頭を粉砕され、ある者は岩に挟まって身体を引きちぎられ、またある者はスクリューに巻き込まれる。“理想のお姉さん”以外に本作に期待してた要素はここに詰まっており、その点に関しては十分に満足いくものとなっていた。ソーニャのおバカクリーピーも、アリソンのおバカセクシーも(またおっぱいを撃たれる。正確には自分で撃つ)、そしてマックスのおバカマッチョも、コールの同級生たちよりも十倍くらいキャラが濃い。

悪魔の儀式に必要なのは“生贄の血”と“無垢な血”の二つ。コールに期待されているのは後者なのだが、なんと彼は“脱童貞”で悪魔崇拝者たちを撃退(筒型のパンにソーセージを挿れる映像で表現)。そのお相手となる転校生フィービー(ジェナ・オルテガ)のかつてのシッターもビーで……という展開は、理想のお姉さんビーを愛する者たちにとって非常に嬉しいものだった。単純に彼女が再登場するだけでも嬉しいのだが、最後にイメージアップを果たす。それでは少年の通過儀礼という前作の重要要素が台無しな気はするものの、コールが別の意味で“大人”になったから構わないだろう。巨乳店員(アマンダ・チェルニー)に勧められるがままにコンドームを買っておいてよかった。無事に使えたということは、コールは“マグナムXL”だったのだな。

コールを湖に誘うメアリーが「Blue pill or red pill?」と尋ねたり、フィービーのウサギのぬいぐるみに「In ends tonight」とメモが貼ってあったり、本作にはどういう意図なのかよく分からない『マトリックス』のパロディが多い。また、フィービーの隠れ家に入る際にJefferson Airplaneの『White Rabbit』が流れるのだが、これは『マトリックス4』の予告編でも使われている曲である。なんと本家が後追いすることになるとは……。

メアリーはメイクがイマイチという以外に、やたらと露出した谷間の膨らみだけが大きい“ちんちくりん”の感が強かった。ビーと比べて低身長なのが理由だろうと思っていたのだが、調べてみると二人の身長はほぼ同じである。頭身と手脚の長さでここまで印象が変わるのか。