オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ファンタズムIV』

Phantasm IV: Oblivion, 89min

監督:ドン・コスカレリ 出演:アンガス・スクリム、マイケル・ボールドウィン

★★

概要

マイクとトールマンの因縁。

短評

シリーズ四作目。冒頭でトールマンが「これが最後のゲームだ」と宣言し、彼の過去についての描写も登場する。これはいよいよ物語の核心に迫っていくのかと思いや、さっぱり分からないまま映画が終わってしまった。三十郎氏の理解力や集中力の問題なのか、それとも脈略や整合性なんてそもそも存在しないのか。一作目の未使用映像を使うことで“全てが繋がった”感が演出されているものの、三十郎氏の頭の中では何も繋がらなかった。

あらすじ

トールマンにシルバー・スフィアを埋め込まれたマイクはレジーの元を離れ、自動運転導入済みの霊柩車に導かれるまま旅に出る。彼は時空を行き来し、自分が子供時代にトールマンに会っていたことやトールマンがトールマンとなる前の葬儀屋ジェヴァダイア時代のことを知る。一方、レジーはジョディに請われてマイクを追うのだった。

感想

シルバー・スフィアの影響なのか、どんどん“人間をやめる”マイク。彼は荒野の真っ只中で念力を身につけたり、時間旅行に出掛けているらしいが、実際のところ、何をしているのかはよく分からない。たとえば、マイクが首を吊る場面がある。その時、夢の中ではマイクとジョディが協力してトールマンを吊るし首にしているため、マイクが自殺すれば彼が夢の中で生み出したトールマンもまた消え去るということなのかと思った(本人も「道連れ」と表現している)。しかし、夢世界に少年マイクが登場し、トールマンから「ロープ切って」と頼まれて実行。謎の堂々巡り、鶏と卵的な展開である。さっぱり分からん。

かつてトールマンが南北戦争時代の葬儀屋だったこと、葬儀屋として日々に疑問を感じて時空転送装置を開発したこと。そうした彼の過去も語られるのだが、世界観の全体像を語る上での決定打とはならず。で、結局どういうことなの?

わけの分からない幻想路線を突き進むマイク編とは対称的に現実路線のレジー編。彼は道に迷う美女を発見するものの、なんと無視して立ち去る。なんという成長だろう。今回のハゲは覚悟が違う!……などと思っていたら、その美女の車が横転&爆発炎上し、レジーは結局彼女を助けることに。そして、廃モーテルに泊まると、「いいだろ?」といつもの助平根性を丸出しにしていて笑わせてくれた。手ブラ姿や黒パンツ&彼シャツ姿を見せつけながらもレジーにお預けを食らわせる女ジェニファー(ハイディ・マーンハウト)もなかなか酷い性格だと思ったが、彼女の“銀玉おっぱい”が本作最大の見所だった。

なんだかよく分からないまま終わってしまったが、確かなことが一つだけある。本作の結末は“クリフハンガー”である。きっとよく分からなかったのは次作で全てを明らかとするための伏線を張ることに注力したからに違いない。今回だけはちゃんと“続きもの”として話が構成されていたのだ。しかし、次こそは、次こそは……という三十郎氏の思いも虚しく、本作の公開は1998年、そして次作の公開はなんと18年後の2016年である。リアルタイムでこのシリーズを見守っていたファンはどんな気持ちだったのだろうか。

どうやら本作はパラレルワールドを描いているらしく、別次元から来たマイクには“トールマン化する前のジェヴァダイア”を殺すことができなかった。ジェヴァダイアを殺さない限りトールマンは無限発生するという仕組みらしいので、映画の最後の登場する若かりし頃のマイクとレジーが“その世界の住民”ということになるのかと思う。しかし、世界線は同じでも時間軸的にマイクたちがトールマンの発生を防ぐことは原理的に不可能なのではないだろうか。同じ世界線のマイクが時間旅行すればいけるのか。