オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ファンタズムIII』

Phantasm III: Lord of the Dead, 91min

監督:ドン・コスカレリ 出演:レジー・バニスター、マイケル・ボールドウィン

★★★

概要

トールマンに攫われたマイクを追う話。

短評

シリーズ三作目。なんと今回の主役はレジーである。まさかあのハゲが主人公ポジションにまで出世すると一作目の時点で予想した人がいただろうか。ハゲ万歳!ホラー映画というジャンル性は完全に薄れてしまったし、相変わらず世界観的な意味での“どういうことなのか”はさっぱり分からないのだが、新たに明かされる設定とアクション路線とのバランスはそこそこよかったと思う。あと二作なら途中で挫折することはないな。

あらすじ

倒したはずが三度出現したトールマン。レジーは再びマイクを救い出したものの、執拗に追ってくるトールマンに連れ去られてしまう。そんなレジーを導くのは、死んだはずのジョディ。彼がシルバー・スフィアとなって現れ、レジーはホルツビルという廃墟化した町を目指す。道中で知り合ったティムという少年やロッキーという黒人女性を仲間につけ、レジーはマイクを奪還すべくトールマンとの戦いに挑むのだった。

感想

「全ては夢でした」というオチの一作目から、マイクだけでなくエリザベスにも共有された悪夢へと拡張した二作目。三作目となる本作では、「目に見えるものと現実とは違う」とは言われているものの、トールマン軍が世界征服を目指すという規模にまで拡大している。複数の町を廃墟化し、人肉を食わないゾンビみたいな徘徊者(ラーカーズ)という下僕も手に入れ、ますます勢いを増している。

もはや“マイクの生み出した悪夢”の域に留まらなくなったトールマン軍だが、これは何かのメタファーとして捉えるべきなのだろうか。シルバー・スフィアの正体は、死体がドワーフ化される際に取り出した人間の脳を収めたものであり、トールマンはその数を増やすために死体攫いをしているらしい。実はトールマンの頭にもシルバー・スフィアが入っており、これが“本体”かと思われたのだが、破壊してもなお彼は復活を遂げる。ホルツビルや他の町は伝染病に汚染されて廃墟化したとのことだったが、死や不況といった不安が世界を飲み込んでいくという辺りなのだろうか。明確な答えは出ないのだろうが、せめてトールマンとの“決着”くらいはつけてほしいものである。

前作で妻子を亡くしたばかりなのに別の女と交わっていたレジー。本作でもエロ根性を全開にしている。レジー、ティム少年、ロッキーの三人でモーテルに宿泊する際、レジーは「ダブルベッドが一つだけだから……」と言ってティムに車で寝るように告げる。恥ずかしくないのか、いい年した大人が!なお、彼の目論見は敗れ去るのだが、その後、“淫夢”の中で交わっていた。どんだけヤりたいんだ。性欲とテストステロンとハゲの間に因果関係はあるのか。

廃墟化した町で強盗から家を守るべく凶悪な『ホーム・アローン』をしているティム。彼は射撃の名手であり、三人組の中で最も頼りになる存在だったかと思う。ロッキーは陸軍出身とのことなのだが、なぜか“ヌンチャク使い”である。“効果音”で誤魔化してはいたものの、そのヌンチャク捌きはイマイチだった。もっとも、二人とも主人公ポジションに躍り出たはよいがただのエロハゲだったレジーよりは活躍していたと思う。

他のシルバー・スフィアよりも強いトールマンのシルバー・スフィア。通常のシルバー・スフィアが頭をゴリゴリと抉るのに対し、トールマン版は飛んできた勢いそのまま“貫く”。確かに強いが、描写としては通常版の方が好きだった。なお、そんな強いトールマン版だが、トイレ用の“スッポン”でキャッチできる。意外とギャグ描写も多い。