オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『007 ダイヤモンドは永遠に』

Diamonds Are Forever, 120min

監督:ガイ・ハミルトン 出演:ショーン・コネリー、ジル・セント・ジョン

★★★

概要

ダイヤモンド密輸業者ジェームズ・ボンド

短評

不人気だったレーゼンビーに代わってコネリーが復帰したシリーズ七作目。コネリーの二度目のボンド引退作である。馴染みのある“お気に入り”のボンドのはずが、年齢が原因なのか前作よりもアクション控えめというのは少々寂しくもあった。しかし、トボけたボンドガールやゲイの殺し屋コンビに象徴されるようなコミカルな仕上がりや、荒唐無稽で無駄に壮大な規模の展開が、次の代のロジャー・ムーアとの“繋がり”を感じさせる一作だったかと思う。“格好いいボンド”とは少々異なるが、コネリーだから許されるという感じはする。

あらすじ

遂に宿敵ブロフェルドを追い詰めて手を下したジェームズ・ボンドショーン・コネリー)。Mから「これからは地味な任務を」と言われ、ドナルド卿の所有するダイヤモンド鉱山から盗み出されたダイヤの行方を追うことになる。密輸業者に成りすましてティファニー(ジル・セント・ジョン)に接触し、ロサンゼルスへと飛ぶ。

感想

冒頭、ボンドに殺される際に整形手術を受けて別人のように生まれ変わっているブロフェルド。顔を全くの別人に変える技術は現に存在するだろうが、果たして“髪の毛”の方はウィッグなのか。もしあれだけ見事に増毛することが可能であれば、各国政府を脅したりしなくても世界中に感謝されながら大儲けできるだろう。もしかして元のスキンヘッドが剃っているタイプの“偽ハゲ”だったりしたのか。

ブロフェルドが実は生きていたという展開には意外性がないものの、彼が“猫の替え玉”まで用意していたのには笑わされた。さる北の将軍様もここまでしているのだろうか(最近痩せたのは体型を揃えづらいからか)。女装したり、自分が使っている技術に騙されたりと、巨大犯罪組織スペクターを率いているとは思えぬ小物ぶりだった(最後なんて遊ばれているし)。科学者の意見も蔑ろにする悪しき独裁者である。

本作にはブロフェルドの他にも印象的な悪役が登場している。ゲイの殺し屋コンビはそれぞれ笑顔と頭頂が薄ら寒かったが、地味ながらもプロフェッショナルな仕事ぶりが光っていた。バンビ(ローラ・ラースン)とザンパー(トリナ・パークス)のコンビについては、“戦う女”キャラのシリーズ初登場だっただろうか。ティファニーは戦おうとしても銃を扱えていなかった。

本作のボンドガールは、雑なお色気キャラ感はあるが正ヒロイン扱いのティファニー、名が体を表しているプレンティ(ラナ・ウッド)。「何か御用?」と尋ねるなりボンドにブラを剥ぎ取られたセクハラ被害者マリー(ドゥニーズ・ペリエ)は、果たしてボンドガール扱いすべきか否か。カジノで金持ちにたかる巨乳女プレンティとお楽しみのはずが妨害を受けてしまったボンドが気の毒だったが、その後すぐにティファニーが登場して目的は果たしていた。プレンティの谷間ばっくり紫ドレスがとにかく目を引くのだが、『カジノ・ロワイヤル』のヴェスパーの衣装はこれのオマージュだったか。さしものエヴァ・グリーンがおっぱいで負けていた。正直に言って、正ヒロインのティファニーよりも脇役プレンティの方が“そそる”(ティファニーも大きい)。

「コネリーの方がボンドって感じがするよなあ」と不満に思っていた割に、いざ復帰すると“若者”との差が気になるという自分の雑のさじ加減が露呈したのだが、マニーペニーとのやり取りについてはやはりコネリーだと思った。レーゼンビーが相手だと年の差がありすぎて、マニーペニーが痛いおばさんみたいになってしまう。

007シリーズはセクシーなシーンが多くとも“見せない”とばかり思っていたのだが、OPクレジットの際に影が掛かってはいるが見えていたし、ティファニーと勘違いされた水死体も透けていた。影をそうだと言い張るほど三十郎氏が飢えているわけではないですよ。