オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『デイ・アフター』

Lockdown: Tödliches Erwachen, 79min

監督:ボグダナ・ヴェラ・ローレンツ 出演:アリス・ドワイヤー、ゲッツ・シュルテ

★★

概要

「助けるためだから」と言って監禁される話。

短評

ドイツ版『10 クローバーフィールド・レーン』。どうも音声が浮いているように感じられたのだが、どうやらドイツのテレビ映画を英語に吹き替えたものらしい。ちなみに地球に氷河期が到来することはないし、2011年に同じ邦題の映画がリリースされているのに、どうしてこの邦題にしたのかは謎である(今なら間違いなく原題の「ロックダウン」を採用しただろう)。基本的にはエイリアン以外の設定はほぼそのまま『10クローバー(以下略)』であり、普通にショボかった。

あらすじ

製薬会社のパーティーに参加した後、気付くと見知らぬベッドで目を覚ましたリヴ(アリス・ドワイヤー)。隣りで眠っていた恋人レックス共々負傷しており、彼女は激しく動揺する。そこにカートと名乗る家主が現れ、曰く「生物兵器によるテロがあった。外は危険なウイルスが拡散している」とのこと。リヴは自分を閉じ込めようとするカートの言葉を疑い、部屋からの脱出を試みる。

感想

『10 クローバー』が2016年の作品で、本作が2017年の作品なので、本当にパクっただけなのかもしれない。同作のアメリカ公開から本作の本作のドイツでの放送までの期間が約一年半。これはちょうど「これ、低予算でアレンジ(パクリ)できそうだしよくない?」と企画者が思いついてしまってから実現できそうな期間のような気がする。キャストは三人+α、舞台はアパートの一室。予算的にもそんなノリで制作できそうな一作だったように思う。

同作との違いだが、家主がより“怪しく”描かれていた点だろうか。話が進むと、カートがワクチン研究者であるリヴたちを監視・捕獲したという事情が明かされ、「運良く助けられた」という設定がどこかに消える。そうして元ネタとの差異を強調した上で、遂に脱出したリヴが目の当たりにしたものとは……。

ここまでしたのだから視聴者は衝撃を受けて然るべき結末なのだが、「まるで『10 クローバー』みたいな映画だな」と思って観ていたら、まるで『10 クローバー』みたいな結末を迎えるのだから呆れるより他にない。もしかして同作はドイツであまりヒットせず、知る人ぞ知る映画としてパクったという事情でもあるのだろうか。

リヴたちの開発したワクチンには欠陥があったのだが、製薬会社がそれを無視して販売を強行しようとする。それを阻止するために欠陥情報をリークした者がいるのだが、生物兵器として利用されてしまったという流れである。この流れは百歩譲って認めるとして、テロが起きた後にリーク犯に自白するように拷問して何の意味があると言うのか。リヴたちと同じアパートに住んで彼らを盗撮し、テロ後も生き延びられる設備を準備する余裕があるのなら、さっさと二人を捕まえてしまえばよかったのに。もっとも、カートは漏電によってボヤを起こし、「植物が燃えちゃったから酸素が足りなくなる」とか言い出す男なので、その計画性は非常に怪しい。ワクチンやウイルスよりもその植物の品種改良の方が凄いぞ。

デイ・アフター(字幕版)

デイ・アフター(字幕版)

  • アリス・ドワイヤー
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