オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『エスケイプ・ゲーム』

Play or Die, 89min

監督:ジャッカス・クルーガー 出演:チャーリー・パーマー・ロスウェル、ロキサーヌ・メスキダ

概要

高額賞金リアル脱出ゲーム。

短評

その名の通りの“脱出ゲーム”もの。フランスのベストセラー小説が原作で、劇中では英語を話す、ベルギー映画だそうである。続編のような始まり方をするので時系列を弄っているのかと思ったら、そのまま進行して話に入り込みづらいという珍作で、最後に時系列順にできなかった理由を説明するオチが明かされる。それも舞台が舞台だけにバレバレだし、少々反応に困ってしまう。また、オチから逆算すれば当然なのだが、謎解きがスムーズ過ぎて考えて楽しむ余裕もなかった。

あらすじ

元恋人クロエ(ロキサーヌ・メスキダ)から説得され、高額賞金の懸かったゲーム“パラノイア”の最終章に参加することを決めたルーカス。ネット上に散りばめられたヒントを頼りに突き止めた会場に向かうと、精神病院が舞台だった。二人一組のチームで、残りの参加者はレイ、マキシン(マリー・ザブコヴェック)、ジャブロウスキ、ナオミ(ダフネ・フイン)の四人。謎を解いて病院からの脱出を目指すルーカスとクロエだったが、何者かに殺害された参加者の死体を発見してしまう。

感想

精神病院が舞台である。しかもゲームの前に主人公が『サイコ』のノーマンのように存在しない母親に語りかけている映画である。その上、やたらと意識が飛ぶ。精神病院入院歴のある女性を二人も登場させ、その内の一人には“クソ女”の性格まで付与してミスリードしているが、オチは自ずから明らかである。その通りになった瞬間には、既にゲームが消化されているという“途中から”の出だしに対して「だからだったのか……」と納得したものの、それまでは試写をしたのか疑いたくなるレベルの置いてけぼり感に終止していた。

脱出ゲームの核と言えば、やはり“謎解き”をはじめとする何らかの挑戦に他ならない。しかし、本作は上述の通りに全てが自作自演のため、実にスイスイと問題をクリアしていく。とりあえず問題が出され、ルーカスが「これがこれでこうだから……」と正答を連続していくわけだが、小説ならまだしも映画のスピード感ではついていけない。

仮にこれが三十郎氏の頭の回転の遅さの問題であるとしても、謎解きですらない展開の多さには呆れた。ルーカスが“電流ビリビリ電気椅子クイズ”に参加させられた際、彼は問題を解けずに処刑されそうになるのだが、なんと担当のナースを殺害して生き延びる。酷いにも程がある。「謎解きじゃなくて人殺し力が試されてるんだ!」じゃねーよ。それまでリモートだったのに最後だけ現場に現れるのも意味不明だが、自分で雇った女を殺すなよ。双子も何突っ立って見てるんだよ。

会場を探すために“餓狼伝説”をプレイするルーカスたち。彼らはテリー・ボガート、CPUは不知火舞である。ルーカスが破れるもクロエが勝利するのだが、そこには舞の勝利台詞である「日本一!」が響いていた。

ルーカスがこんなクソ面倒なゲームを仕込んでまで取り戻そうとした元恋人クロエだが、これが結構な酷い女である。賞金目当てにルーカスがゲームに参加するように説得し、拒む彼を肉体で籠絡。ナオミが自死した際には「別にいいじゃん」と冷淡な反応だし、二人一組のはずが縄梯子を登る時には「すまんな」とルーカスを蹴り落とす。ルーカスに問題があってフラれたという設定だったが、彼女も大概である。

エスケイプ・ゲーム(字幕版)

エスケイプ・ゲーム(字幕版)

  • チャーリー・パーマー・ロスウェル
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