オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『モンスター・モーテル』

Night of Something Strange, 97min

監督:ジョナサン・ストレイン 出演:トレイ・ハリソン、レベッカ・C・カセック

★★★

概要

性欲過多のゾンビ。

短評

被爆+性病持ちの巨乳の死体(ジェニー・ルッソ)がレイプされるシーンで幕を上げるホラーコメディ。この衝撃のオープニングシーンが象徴するように“光るもの”は随所に見られるのだが、異常なまでのテンポの悪さが気になる一作である。確かに笑ったシーンもあるし、下品一辺倒のスタイルは決して嫌いではない。しかし、この映画を「面白かった」と評価することはどうにも躊躇われる。そんなポンコツな一作ではあるものの、どうしても嫌いにはなれないのだった。

あらすじ

高2の春休みを迎えたクリスティン(レベッカ・C・カセック)。彼女は友人のフレディ、キャリー(Toni-Ann Gambale)、ジェイソン、ブルックリンと共に海に行くことにするのだが、彼らがその道中で立ち寄ったモーテルは、遺体を屍姦してゾンビと化した男たちが潜んでいる危険な場所だった。

感想

オープニングの屍姦からの一連の流れはインパクト抜群である。巨乳の死体を見つけた清掃員が「うへへ……」と催し、さも当然であるかのように交わる。帰宅した男が「チンコ痛ぇ……」と股間を抑えていたかと思えば、突如としてベッドに小便を撒き散らし、乳首がポチっている恋人なのか母親なのか分からない女に(性的に)襲いかかる。フラフラと外に出た男が車に轢かれ、運転手が「来年の夏に襲われるかもしれない」というホラー映画あるあるな台詞を発し、ホラー映画ファンにはお馴染みの名前の登場人物が出てくるものだから、「これは“分かっている人”が作った映画に違いないぞ」と期待するわけである。

そこまではとてもよかった。エログロで最高のホラーコメディになる予感がビンビンだった。しかし、いざクリスティンたちが登場すると途端につまらなくなるのが本作の問題点である。いくつかの下ネタが笑えはするものの(顔に下痢便かけたり、尻から抜けなくなったり)、一向に面白くなる気配を見せないまま時間が経過していく。

「なんだ、出オチのクソ映画だったか……」とガッカリして諦めていたところ、ようやく“本編”が始まって急転直下。エログロも、下ネタも、それまでの退屈さがウソのような盛り上がりを見せるのである。別にストーリーなんてあってないようなものなので、中盤はまるまるすっ飛ばして冒頭と終盤だけ見てもいいかもしれない。そんなダイジェスト鑑賞は三十郎氏の主義に反するのでできないが、そう言いたくなるくらい出来不出来の差が激しいのである。

遂に始まったエロゾンビ戦。これは最低で最高である。そもそもゾンビが「(人を)食べる」の意味が変わっている時点で楽しいのだが(英語にも類似の表現があるのだろうか)、アソコが伸びてきたり、アソコから触手が出てきたりと、これまでに見たことのないような下品な演出が続々と登場する。チンコも、マンコも、作り物であれば無修正で大丈夫らしい。それはとにかく“汚い”の連続であり、冒頭の屍姦が期待させた以上のものが待ち受けていた。

したがって、本作は決してよく出来た映画ではないものの、“魅力的な珍作”として好事家を惹きつけるものはあると思う。クソつまらないけど、クソおもしろい。