オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『CODE8/コード・エイト』

Code 8, 98min

監督:ジェフ・チャン 出演:ロビー・アメル、スティーヴン・アメル

★★★

概要

差別される超能力者。

短評

カナダ製のSFアクション映画。地味な『X-MEN』みたいな話だった。「超能力もの」というジャンルとしては物足りない部分はあるものの、“抑えた”ことによって却ってチープな映像で残念な思いをすることもないというタイプである。ドローンやロボット警察の近未来描写も丁度よく、“低予算SF映画”という枠としては十分な出来だったかと思う。あまり意外性のあるストーリーではないものの、そのテーマはとても“今日的”だった。

あらすじ

人口の数%が超能力を持って生まれる世界。彼らの能力は都市の発展に寄与したものの、やがて使い捨てられ、差別される存在となっていた。ドローンや警察ロボット“ガーディアン”による厳しい監視を受け、就職もままならない。超能力の持ち主であるコナーもガンを患う母(カリ・マチェット)の治療費を捻出できず、サイクと呼ばれる薬物の密売組織の仕事に手を染めることとなる。

感想

超能力者たちはその能力故に危険視されているわけだが、人種差別に置き換えても理解しやすい話だと思う。就職できないから金がない。金がないから必要な治療を受けられない。それなら犯罪に手を出すしかない。そして“犯罪映画”へ。どこかで聞いたような話である。そのテーマについて深く掘り下げられているとまでは言えないものの、一つ面白い点があった。

コナーは“仕方なく”犯罪組織に関わっているのだが、日雇いの建築作業員として働いていた時よりも明らかに活き活きとしている。望んだことではないとは言え、社会に統制されてきた自分の“力”をフル活用できるのだから、そこにはある種の快感が伴っているのである。これも何かに似ていないだろうか。この状況を人種差別の話に再び置き換えることができるような気もして、なんだか皮肉な話だと思った。「お前、この仕事に向いてるぞ」という褒め言葉を、果たしてどう受け止めるべきなのか。

地味ではあったものの、能力の描写は面白かった。コナーは“電気系”、母は“冷凍系”、他にも“熱系”や“テレキネシス”、“読心系、“パワー系”、”そして“回復系”と、各種超能力が揃っている。ちょっとしたポケモンのようである(失礼)。基本的には“能力者vs非能力者”の構図であるものの、“能力者vs能力者”の展開もあるため、各系統ごとの相性によって戦いの行方が左右されても面白かったのではないかと思うのだが、これは多分にゲーム脳的か。

コナー役のロビー・アメルとギャレット役のスティーヴン・アメルは従兄弟なのだとか(全然似てると思わなかったが)。彼らが黒人男性だとあまりに直球で「SF」というジャンルを経由する意味が薄れてしまうが、あえて白人男性にすることで何らかの意味が付与されたわけでもなかったと思う。