オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ブレイド2』

Blade II, 117min

監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:ウェズリー・スナイプス

★★★

概要

半ヴァンパイア+ヴァンパイア軍vs変異ヴァンパイア軍。

短評

シリーズ二作目。前作よりも“血みどろ”なグロ描写は影を潜めていたように思うが、変異ヴァンパイアの検死のシーンなど生々しい描写も見られ、ヴァンパイアを“生き物”と捉えるデル・トロらしい方向性が伝わってきた。また、“悪役”となるヴァンパイアに悲劇性を付与している点も彼らしいと言えるだろう。アクションシーンでは『マトリックス リローデッド』に一年先行して、キャラクターを一部CGに差し替えるという演出が見られ、前作に続いてその先進性を発揮している。

あらすじ

前作からニ年。新相棒スカッドノーマン・リーダス)と共にヴァンパイア狩りに勤しんでいたブレイドウェズリー・スナイプス)は、実は死んでいなかったウィスラーを救出。そんな彼の元にアサドとニッサレオノア・ヴァレラ)の二人のヴァンパイアが送り込まれ、休戦を申し出てくる。曰く、「死神族(リーパーズ)という変異ヴァンパイアがヴァンパイアをも襲っている。共通の敵と共に戦おう」と。ブレイドはヴァンパイアへの反発心を抱えながらも、自らを討つために結成された血の軍団(ブラッド・パック)と共にリーパーズ討伐に参加する。

感想

今回新登場となる「死神族(リーパーズ)」という変異ヴァンパイアのビジュアルが“白ハゲ”というB級モンスター映画にありがちな代物で、クリーチャー愛迸る変人デル・トロらしからぬ凡庸さだと思ったのだが、よくよく考えてみれば『吸血鬼ノスフェラトゥ』から引き継いだ正統派ヴァンパイアだったりするのか。このリーパーズのアゴが割れ、変形した舌が伸びてくる描写は「これがやりたかったんだね」と思わせられるグロテスクな造形美に満ちており、いかにもな印象を受けた。デル・トロがプロデュースしたドラマ『ストレイン』にも同じ描写が見られた気がするのだが、この“アゴ割れ”の初出はどの作品なのだろう。

血の軍団と共にリーパーズと戦った結果、次の事が明らかとなる。リーパーズはヴァンパイアを襲うという以外に、ニンニクと銀による攻撃を無効化し、弱点は紫外線のみ。実は彼らは“旧”ヴァンパイアが自らの弱点をなくすために開発した実験体だったというオチなのだが、首謀者が自らの息子を被検体としており、“望まぬ暴走”という意味での悲劇性を付与している辺りがデル・トロらしい。また、ニッサブレイドに対して「どうして私たちをそんなに嫌うのか。私たちもこう生まれついた定めなのに」と不平を口にする場面があり、“悪役”側に肩入れする視点が見られるのも興味深い。

デル・トロお気に入りのロン・パールマン演じるラインハルト。彼もリーパーズと同じく“白ハゲ”なのだが、ブレイドの特徴的な髪型に負けず劣らずの特徴的なハゲ方だった。ハゲと言うよりはスキンヘッドであるものの、ヒゲからモミアゲ、そして後頭部までが“一本のライン”で繋がっている。血の軍団の他のメンバーにはドニー・イェンがいて、見事な飛び蹴りや刀捌きを披露してくれる。もっと活躍してほしかった気もするのだが、そもそもはアクション指導として参加していたところを急遽出演という流れらしい。

凝固剤パンチや紫外線照射爆弾といった新装備のギミックもデル・トロらしかったか。装備と言えば、ニッサたちがブレイドのアジトに侵入した際は紫外線ライト対策なのか全身防備なのだが(見た目も動きも忍者っぽい)、他のシーンでは常に顔を出している。戦闘時は紫外線を通さない装備で常に全身を覆っておけばリーパーズに対して優位を保てると思うのだが、顔が見えないのはダメなのか。いちいちマスクを外して会話したがるヒーロー映画と同じなのか。

カンフー的に華麗な足技を見せる以外に、プロレス技的な格闘シーンが多く見られたのだが、これはルチャリブレの国出身の監督の趣味なのか。