オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・クロコダイル 巨大ワニ襲来』

百万巨鳄(Million Dollar Crocodile), 89min

監督:リン・リーシュン 出演:バービー・スー、グオ・タオ

★★

概要

巨大ワニが逃げ出す話。

短評

中国製のワニ映画。ストーリーについてはコミカルな描写で誤魔化すタイプの、特に面白くとも何ともないB級パニック映画そのものなのだが、ワニのCGの出来の良さに驚かされた。激しく動くシーンなんかは流石に浮いているものの、静止に近いシーンでは実写と見紛うような場面まである。はっきり言って、“B級映画”という枠組みならばハリウッドのサメ映画よりも上である。中国の技術力も随分と進化しているらしい。あとは使い方をもっと考えて欲しいところだが、こうしたダメな映画に無駄遣いできるのも贅沢な楽しみ方か。

あらすじ

リウのワニ牧場が経営破綻し、ワニたちはジャオ店長(ラム・シュー。他のキャストは知らなかったがこの人はよく見る気がする)のレストランに食用として売却されていく。その中には少年シンのお気に入りの巨大ワニ・マオも含まれていたのが、屠殺の直前、麻酔の切れたマオが暴れ出し、レストランから脱走してしまう。そのマオと運悪く茶畑で対面してしまったウェン・ヤン(バービー・スー)は、マオに食べられてしまった10万ユーロを取り戻すため、シンの父でもあるワン巡査に助けを求める。

感想

低質なB級映画を予想していただけにCGのクオリティの高さには驚かされたのだが、だからと言って映画が面白いわけではない。「10万ユーロを食べられた!絶対に取り戻す!」とワーキャー騒ぐヒロインを筆頭に、パニック映画として真っ向勝負できない部分をコミカルな描写で誤魔化していると感じられるところが大きく、そのベタベタな笑いもあまり面白いものではなかった。ワニそのものには迫力があるものの、“パニック”を生み出せていない。

ヒロインの女(ウェン・ヤン)は、恋人(グローブボックスから女のパンツが見つかって破局)とのイタリア旅行に備え、8年掛けて10万ユーロを貯めた苦労人である。彼女は手数料と“触れること”を理由とする現金主義者なのだが、中国からの現金の持ち出しには制限がないだろうか。気になったので調べてみたのだが、申告が必要なだけで課税されたりするわけではないのか。そんなに現金を持ち出すことの決してない三十郎氏がざっと調べただけなので、もし該当者が本稿を読んでも当てにはしないでいただきたい。

旅行を控えてケバいメイクのヒロイン、ワンの家でシャワーを浴びてすっぴん(風メイク)のヒロイン、そして、最終形態でナチュラルメイクとなるヒロイン。徐々に可愛くなっていくのがポイントである。彼女の金に対する執念深さと、“ワニを食べる”というのが中国のご当地要素だろう。そう言えば、バンコクの屋台にもワニの丸焼きがあったような気がする。ちなにみジャオの店は繁盛している。美味いのか。

専門家であるリウが「ワニは正面が死角だ」と言うのでふむふむと納得していたのだが、“ワニ視点映像”が明らかに正面を見据えているという矛盾した演出が見られた。

中国映画はショタチンコOKらしい。

最終決戦の舞台が杭州の「西湖」である。三十郎氏も上海旅行の際に日帰りで訪れたことのある観光スポットなので懐かしかった。「西湖十景」と呼ばれるスポットを制覇することばかりに汲々とし、終盤はすっかり疲れ果ててしまったが、せっかくの穏やかな湖なのだからもっとのんびりすればよかったと思う。あー、旅行行きたい。

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