オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ』

The Final Level: Escaping Rancala, 87min

監督:キャニオン・プリンス 出演: ジェシカ・チャンセラー、エミリー・スウィート

★★

概要

ゲームの世界に吸い込まれる話。

短評

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』を低予算でパクった一作。その内容は次の一言でほぼ全てを表せるかと思う──「アサイラム製」である。というわけで、ストーリーもアクションもCGも、全てが徹頭徹尾酷い一作ではあるものの、「アサイラム」という言葉を聞いて思わず反応してしまうようなダメ映画ファンを喜ばせるためだけのサービスがあったり、登場人物がセクシー美女だったりと、全く楽しめないわけではなかった。ただし、やはりつまらない。

あらすじ

10年前にゲームセンターで行方不明となった兄ジェイクを偲び、念願だったレトロゲームセンターのオープンにこぎつけたサラ(ジェシカ・チャンセラー)。仲間のクリッシー(エミリー・スウィート)やレイ(ティアナ・タトル)と共にオープン前夜の準備をしていると、「ランカラ」というゲームの世界に吸い込まれてしまう。彼女たちは制限時間以内にゲームをクリアし、同じくゲームに吸い込まれたジェイクを助け出せるのか。

感想

内容的にはほぼ『ジュマンジ』そのものなので、特に説明する必要もないだろう。全てを1/10くらいにスケールダウンさせたと言っては同作に失礼になってしまうくらいにスケールダウンさせた、誰が観てもそうだと分かる清々しいまでのパクリB級映画である。

ただし、ただパクるだけで終わらないのが流石はアサイラム。たとえば、『ジュマンジ』と同じくプレイヤーにそれぞれ3つの与えらたライフの使い方や、固有ではなく自由に振り分けられるスキルシステムを、物語を盛り上げるために利用しようという気が全く感じられない。「とりあえず設定だけ消化しときました」感がありありの雑さである。ここまで来れば逆に清々しいと言うか、あえてダメになるように狙っているとしか思えない。この脚本にゴーサインを出せるプロデューサーは逆にすごい。

サラたちがゲームの世界の世界に吸い込まれると、レベル1のステージにはなんとサメが!サメが海中ではなく砂浜でバタバタしている時点で不穏な空気が漂っていたものの、その後、サメが空から降ってくる。ついでに海上でトルネードが発生する。だから何だと言われてしまえばそれまでなのだが、三十郎氏は既に“それ”が出てきただけで嬉しくなってしまう体質に改造されているのだ。『ジュマンジ』の方からパクったNPCやサイは別に面白くなかった。

最初のステージが砂浜ということで、サラたちは水着姿での登場となる。その後もステージ毎に衣装が変わるのだが、布面積が増えたかと思いきや次では減ったりしていて、防御力を考慮したものではなさそうだった。その上、徐々に「一応着せ替えてみました」的な雑な変化となり、衣装班の“飽き”が疑われた。ちなみに、ゲーム内外共に最も露出度が高いのはクリッシーで(現実世界の服装がほぼ痴女である)、顔も一番美人だったかと思う。やはりブロンドは華があるというか、某有名ポルノ女優に似ている気がして反応してしまったのだと思う。

「サメ」と「美女」の組み合わせで序盤こそそれなりに楽しめるものの、各ステージのボス戦では恐ろしくレベルの低い格闘(カンフーと言っていたがカンフー要素はない)を披露し(それも相手はおっさん。攻撃エフェクトがあるのは頑張っていたか)、制限時間切れでゲーム世界の住人となったはずのジェイクも情に訴えれば簡単に記憶を取り戻すなど、大枠をパクるだけで制作をスタートさせ、細かい点を全く煮詰めなかった弊害が目立ち始める。そして、最終的には「やっぱりつまらなかったな」との然るべき結論に落ち着いたのだった。

なぜか10年前の少年の姿で現実世界に復帰するジェイク。妹サラの10年前の少女時代(エミリー・ゲイトリー)も可愛かったが、“妹が年上のセクシーなお姉さん”というのはどんな気分だろう。