オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』

Haunt, 92min

監督:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ 出演:ケイティ・スティーヴンス、ウィル・ブリテン

★★★

概要

ハロウィン限定!本当に怖いお化け屋敷。

短評

“ちょうどいい”ホラー映画。お化け屋敷が舞台ということで、“罠”と“お化け(=殺人鬼)”の二本立てでしっかりと楽しませてくれた。グロあり、痛い描写あり、気味の悪さありと、娯楽系ホラー映画らしいサービス精神に満ちている。リアル脱出ゲーム的な要素もあって、一種の“アトラクション”として安心して怖がれる一作に仕上がっていた。主人公のトラウマとの戦いや「このお化け屋敷は何なのか」という点はあまり気にせず、ホラー映画らしいホラー映画の舞台設定だと割り切ってよいかと思う。

あらすじ

ストーカー気味でアル中な恋人との関係に悩む女子大生のハーパー(ケイティ・スティーヴンス)。塞ぎ込んでいた彼女を、ルームメイトのベイリー、アンジェラ(シャジ・ラジャ)、マロリー(シュイラー・ヘルフォード)の三人が誘い出す。その後、クラブで出会った二人の男と共に、「ハロウィンの夜だし折角だから……」と“究極のお化け屋敷”に行ってみるのだが、そこには本当の殺人鬼たちが待ち受けていた。

感想

受付には物言わぬ不気味なピエロが立っていて、中からは悲鳴が聞こえてくる。「これは期待できそう!」とウキウキで中に入ると、リアルな“拷問ショー”まであって、「ヤベえ!スゲえ!」と一行は盛り上がる。この拷問ショーが“本当にリアル”だということは観客には分かりきっているわけだが、その事実が明かされて“本編”に入るまで“待ち時間”にも、「いつ来るのか……」という楽しみがある。ここでの「ここかな?まだかな?」の焦らし具合のバランス調整は、お化け屋敷という舞台を上手く活かしていたように思う。特に“箱の中身はなんだろな?ゲーム”が“いかにも”で好きだった。

本性を現してハーパーたちを襲い始める殺人鬼たち。パッケージ写真を見ても分かる通り、仮面の作りも不気味で良いのだが、それを取ると……という展開が待っている。ここでの顔の怖さは安直な気がしないでもないが、「仮面=お化け屋敷という表の顔」で、「本当の顔=施設の裏の目的」という設定の分かりやすい表現だったかと思う。ピエロなんかはメイクっぽさがあるものの、クワを持った“悪魔くん”は「こういう人体改造する人って本当にいるよな」というリアリティがあった。

ハーパーたちの殺人鬼からの逃亡劇で少々滑稽なのが、彼らがお化け屋敷の“指示に従う”という点である。先へと進んだり、脱出のための鍵を入手したりするには指示に従うしかないので仕方がないのだが、これがお化け屋敷を全力で楽しんでいるように見えなくもない。もし人が死んでいなかったならば、これは確かに“究極のお化け屋敷”だっただろう。ハーパーが壁に書かれた鏡文字を確認する際、わざわざ全て鏡を使って確認していたのだが、ネイティブでない三十郎氏でもそのまま読めるレベルである。ノリノリではないか。

ここまでは楽しかったが、、“脱出編”へと入ると急激にトーンダウン。殺人鬼たちは急激に弱体化するし(拷問婆の死に方が阿呆でしかない)、ネイサンはバットを武器に銃を持った相手に立ち向かうという無謀な戦いにあっさり勝利してしまうしで、話を畳むための雑に展開に終始する。ストーカー彼氏が満を持して登場したと思ったら即死な展開には笑ったが(それでも車を残してくれたので彼は役に立ったのだ)、エピローグなんて何の必然性も感じられず、“定番の展開”の悪い面が強く出てしまっていた。

あまり数は多くないものの、アゴを割ったり、頭部への銃撃といったグロ描写がある。確かに気持ち悪いが、何故か嬉しくなってしまうタイプである。これはなかなかハイクオリティで良かったので、もっと増やしてほしかった。また、ハーパーが床に仕込まれた“釘を踏む”という定番の演出があるのだが、あれほど(体験したこともないのに)痛さが伝わってくる攻撃方法を三十郎氏は他に知らない。

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷

  • 発売日: 2020/09/16
  • メディア: Prime Video