オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ジョン・ウィック:パラベラム』2

John Wick: Capter 3 - Parabellum, 130min

監督:チャド・スタエルスキ 出演:キアヌ・リーブスハル・ベリー

★★★★

概要

伝説の殺し屋、世界中の殺し屋に狙われる。

感想

シリーズ三作目の二度目の感想(前回の感想はこちら)。やっぱり楽しいジョン・ウィックさんのボロボロ無双。改めて観て思うのだが、基本的には“ジョンを戦わせるためだけ”に展開する、あってないようなストーリーである。厨二心をくすぐる殺し屋世界の奥行きも、あくまで“おまけ”に過ぎない。それでも楽しいのはアクションの魅力に他ならないわけだが、展開にマンネリ感があってもなお観客を楽しませるために“戦い方”が工夫されており、作る方も毎回大変だと頭が下がるばかりである。

銃、ナイフ、本、馬。殺し屋の世界では何でも凶器になる。ニューヨークを馬で駆け抜けるというシュールな光景が楽しいが、やはり最も楽しいのは銃撃戦だろう。伝説の殺し屋ジョン・ウィックも、近接格闘では身体が小さく素早いアジア人にスピードで遅れを取っており、「遅いな」「5年もブランクがあるからな」と小馬鹿にされている(それでも動きに“回転”が加わるとダイナミック)。そのハンデを乗り越えて勝利するというのも一つの魅力なわけだが、彼が最も輝くのは銃を扱っている瞬間であることは間違いない。銃撃戦を中心に据えつつ、“それだけ”にならない工夫が次作以降も必要となるわけだが、果たして、彼はどんな戦い方で観客を驚かせてくれるのだろう。

その銃撃戦の様相を大きく変える“防弾性能”。撃っても死なない敵の登場は、まるでゲームのチートキャラを見ているようだった。彼らは運営公認のチートキャラであるため、倒すには“課金”による火力アップが必須である。あの格好いいスラグ弾の裏側にそんなどうでもよいことを考えつつ、ジョンがいつもの感覚では倒したはずなのに、ちょっと間があって「あれっ……?」となる瞬間が笑えた。

今回のラスボス、猫派なハゲのゼロ。彼の営む寿司屋の壁に貼られたメニュー表には、なぜか「いか」が二つもある。こだわりの逸品なのか(どうでもよいが三十郎氏はイカが苦手で食べられない)。彼との戦いの舞台となるガラス張りの部屋は、聖域解除されたコンチネンタル・ニューヨークの一室のはずだが、クリスタルスカルや鎧の展示は何なのだろう。高級ホテルにはあのような謎空間があるものなのか。行ったことがないので分からない。

次作の内容が、バワリー・キングと共に主席連合に喧嘩を売るものであることは間違いあるまい。仮に主席連合が倒れれば、全世界の殺し屋界隈の秩序は崩壊し、その次の座を狙う者が現れることは明らかである。それで五作目もいけると思うのだが(主席連合戦に二作を費やせば六作目まで)、果たして、その場合のジョンの立ち位置はどうなるのか。バワリーと引き続き手を組むにせよ、故意に彼を逃したように見えるウィンストンと組むにせよ、“戦わざるを得ない”動機づけが必要となるだろう。

一作目のジョンは、犬を殺されてブチギレしたにも関わらず、最後は誰のものとも知れぬ犬を盗んでいる。二作目のジョンは、嫌だと言ったのに誓印を使われてブチギレしたにも関わらず、本作では自分が誓印を使っている。彼が躊躇なく金的攻撃を見舞うシーンを見ても思うのだが、殺し屋なんて職業はサイコパスでないと務まらない。

ジョン・ウィック:パラベラム(字幕版)

ジョン・ウィック:パラベラム(字幕版)

  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: Prime Video