オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『サイレンサー 殺人部隊』

Murderers' Row, 105min

監督:ヘンリー・レヴィン 出演:ディーン・マーティンアン・マーグレット

★★

概要

好色スパイ、世界を救う。

短評

サイレンサー・シリーズの第二弾。前作の出来栄えから、とてもじゃないが続編を観るような気にはならなかったのだが、シャロン・テート出演の四作目がプライム特典入りした時に備えて一応目を通しておきたい。この矛盾を解消するために逡巡した結果、「土曜の昼にピザでもつまみながら眺めればよかろう」という結論に達し、ユルい作品に向き合うため、こちらもそれ相応のユルい鑑賞態度でいくことにした。これ自体は正解で、ようやくこのシリーズと付き合うテンションが分かってきたようには思えたものの、何故かお色気要素が大幅に削減されてしまっていて、作品がつまらないことに変わりはなかった。

あらすじ

都市を壊滅させる能力を有する光線兵器が開発される。この陰謀を止められるのはICEしかいないが、内部に裏切り者がおり、エージェントたちが次々と暗殺されてしまう。マット・ヘルムもまたその標的であったが、実際には難を逃れており、彼は自らの死を偽装したまま、光線の開発者であるソラリス博士の行方を追ってリビエラへと向かう。

感想

前作は大量のヘルム・ガールズたちが作品を彩っていたが、本作は正ヒロインのスージーアン・マーグレット)がほぼ一人でその役割を担う形となっており、これは少々寂しい。“健全なお色気”こそが本シリーズの最大にして唯一の魅力ではなかったのか(三十郎氏が勝手にそう思い込んでいただけだったのかもしれない)。そのスージーのお色気度もあまり高いとは言えず、この点は明確にパワーダウンしていた。彼女がディスコで踊り狂っているサイケデリックなシーンが非常に長かったのだが、お色気ダンスというわけでもなく(その後にヘルムに服を剥ぎ取られはするが)、狙いが分からなかった。

お色気要員として仕事をするわけでもなく、ソラリス博士の娘であるという意外にスージーの存在意義が感じられないという残念さがありはするものの、ストーリーは前作よりもまとまりがよかったように思う。

本作ではホバークラフトが大活躍している。水陸両用で事ある毎に酷使されたホバークラフトが最後は爆破されるため、「折角購入して壊すのだから使い尽くさないともったいないぞ」というノリなのかと思いきや、爆破はショボいエフェクトだけだった。購入費用ではなくレンタル費用の元を取ろうとしたのだろうか。

今回の秘密アイテム。前作の“逆ピストル”に続き、本作には“時間差ピストル”が登場する。これは「前回好評だったし、似たことをしてみよう」というノリなのだと思うが、明らかに活用方法に無理があり、普通の銃の方が使いやすそうだった。グラスを冷やすための冷凍銃が登場する。これで冷やされた人間が“体にラップを巻かれている”だけというのが笑えた。

光線兵器は明らかに『ゴールドフィンガー』のパクリだと思うのだが、パクっているばかりでもないらしく、ヘルムがカメラマンという設定は『オースティン・パワーズ』でオマージュされているようである。スパイ映画界隈は狭い(ディスコやファッションの雰囲気も似ている。きっと“007をおちょくる”と必然的に似てくるのだろう)。本作には頭に鉄板のついたハゲという非常に特徴的な風貌のヴィランが登場するのだが(三十郎氏は“メタルづら野郎”と呼んでいる)、あれにも元ネタがあるのだろうか(オッドジョブとも違う気がするし)。もっとも、最後のアレをやりたいがためだけの設定であったが。

ヘルムはプレイボーイなのだが、若者たちが踊り狂うディスコではやはり浮いている。三十郎氏はプレイボーイですらないし、おっさんが若者に混じって無理をすることのないように気をつけようと思う。

暗殺される諜報員の内、日本のメンバーの名前が「テンプラ」である。

サイレンサー 第2弾 殺人部隊