オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ローグ アサシン』

War(Rogue Assassin), 102min

監督:フィリップ・G・アトウェル 出演:ジェット・リージェイソン・ステイサム

★★

概要

ステイサムvsジェット・リー

短評

ステイサムが日本語を話すレアな姿を見られる一作(上手くはない)。ストーリーには意外性があって良かったものの、肝心のステイサムとジェット・リーの直接対決がなかなか訪れず、遂に来たと思ったらあっさり終了というのは流石に残念だった。これが“アクション映画”ではなく“スリラー映画”であったなら別の感想になっているのかもしれないが、この二人をキャスティングしておいてそれはないだろう。

あらすじ

FBI捜査官のジョン(ジェイソン・ステイサム)とトムは、日本のヤクザを捜査中に謎の殺し屋“ローグ”(ジェット・リー)に遭遇する。しかし、彼を逮捕することは叶わず、後日、ヤクザに送り込まれたローグにトム一家が惨殺されてしまう。それから三年後、ローグに復讐を誓ったジョンは、ヤクザが襲われた現場でローグの犯行の証であるチタン製の薬莢を発見し、二人は再び相見えることとなる。

感想

この展開であれば、てっきり“主役”のステイサムと“悪役”のジェット・リーが対決する物語なのだと思い込んでしまうが、後者の方が先にクレジットされている事実からも分かる通り、実はジェット・リーの方が主役である。リー主演の『ザ・ワン』でアクション映画の世界に飛び込んだステイサムなので、『トランスポーター』や『アドレナリン』の当たり役を経てスターとなった後であっても、リーの方が“先輩”ということなのだろう。もしジョン役の俳優が地味であれば、リーが“正義の人”というのが読めてしまうのだが、ステイサムの“主役イメージ”のおかげもあって、ミスリードが上手く機能していた。

結末には意外性があってよかったものの、二人を戦わせるためだけに用意された感は否めず、何らかの伏線は張っておくべきだったかと思う。驚きはしたが、とても唐突で、「それで終わり?」という呆気なさだった。

量、質ともに不満は残るが、二人の直接対決について。ステイサムもアクションスターの中ではキレのある動きを披露する方だと思うが、流石にリーと直接比べると一枚落ちる。何と言うか、“初動”の速さが一瞬だけ違う気がする。「キレ」という言葉はリーのような“ビシッ”としたした動きを形容するためにあり、ステイサムの方は「ノビ」で表現すべきか。ちなみに本作にはケイン・コスギが出演しているのだが、彼もダイナミックな蹴りを見せるものの、リーと比べて明らかに遅い。軽くボコられるのも納得だった。リーに負けるのは仕方がないが、ヤクザのボスの八つ当たりで耳を切られてしまうのは気の毒である。

「ヤクザを捜査するなら日本語くらい覚えろ」と凄むステイサムの日本語は一部聞き取れない箇所があったものの、日本のヤクザの中にはやたらと発音の良い者もいて、逆に吹き替え的な違和感があった(下手な人もいるので目立つ)。発音の良い日本人にはデヴォン青木演じるヤクザの娘キラが含まれているものの、彼女は日本語が話せただろうか。それとも、印象通りに吹き替えなのだろう。彼女にもアクション方面の活躍の場が与えられればよかったかと思うが、最終決戦の時には日本にいるのがもったいなかった。果たして、アメリカから日本まで生首を送るにはどういう方法を用いればよいのだろう。彼女が「サラダ食べたい」と言い出す場面は謎だった。

ワイルド感を演出するためなのかステイサムのヒゲが長めであり、それに合わせて髪の毛を少し長めである。これによって頭頂部の肌色とのコントラストが強く出てしまっており、やはり“潔く”するのであればなるべく短くすべきとの確信を得た。将来的に同じことを考えている男性諸君は、この情報を頭の片隅に置いておくべきである。ワイルドなステイサムとは対称的に涼しい顔で人を殺す殺し屋の役が、リーの“超人”のイメージにはよく合っていたと思う。

ローグに「チャンさんからよ」と金を渡した後に脱ぎだす女がいい体をしていたが、演者は分からず。

ローグ・アサシン (字幕版)

ローグ・アサシン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video