オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『トランスポーター』

The Transporter, 92min

監督:ルイ・レテリエコリー・ユン 出演:ジェイソン・ステイサムスー・チー

★★★

概要

運び屋の荷物が人間の女だった話。

短評

現在、三十郎氏界隈で“世界一格好いいハゲ”の称号を恣にしているジェイソン・ステイサムが、アクションスターとしての地位を確立した一作。俳優のキャリアをスタートしたロンドンのチンピラ役のイメージが強く、当時は「アクションスター?」と違和感があったものだが、今となっては彼のキレのある動き(主に蹴り)に魅了されっ放しである。タイトルの割にはカーチェイスが少ないような気がするものの、無駄に脱いでマッチョをアピールするステイサムの魅力を堪能できればそれで十分である。

あらすじ

ルール1「契約厳守」。ルール2「名前は聞かない」。ルール3「依頼品を開けない」。逃がし屋から密輸まで何でもこなす凄腕の運び屋フランク(ジェイソン・ステイサム)。彼が請け負った依頼は“カバン1つを運ぶ”というものだったが、パンクしたタイヤを交換するためにトランクを開けると、そのカバンが動いている。どうしても気になったフランクが、ルールを破ってバッグを開けると、そこには中国人の女(スー・チー)が入っていた。

感想

ステイサムには“最高に格好いいハゲ”であること以外に三つの魅力があると思っている。一つ目は、動きのキレである。俳優になる前は飛込競技の代表選手だっただけのことはあり(その間にモデル業を挟んでいる)、運動神経の良さがありありと伝わってくる。彼が最初に出演したアクション映画はジェット・リー主演の『ザ・ワン』で、本作の共同監督を務めているコリー・ユンが香港映画界の出身であることからも分かるように、キャリアの初期に“いかにして動作を魅せるのか”を仕込まれたのだろう。現実的に考えればそんなことをしている余裕なんてないはずなのに、敵に一撃を加えた後の“残心”のような間が抜群に格好よく、スピーディーな動きとの組み合わせで緩急を生んでいる。

二つ目は、顔芸である。アクション映画以外では絶対に通用しないような大げさな表情がステイサムの魅力の一つだと思っているのだが、本作では割と控えめだった。これは自らの“持ち味”として徐々に極めていったのだろう。

三つ目は、声である。ステイサムの顔つきやセクシーなハゲ頭にも憧れるが、あのハスキーボイスなくしてステイサムはステイサムたり得ない。いかにもアクションスター的な臭い台詞も、あの声があれば素敵に響く。彼が声優の仕事をほとんどしていないのが不思議なくらいである。

以上、三つの魅力が全開ではないながらも本作では存分に発揮されており、(“製作リュック・ベッソン”に相応しく)割とガバガバなストーリーと演出ではあるが、気軽に楽しめるアクション映画としては及第点以上の仕上がりとなっていた。

かつて本作を観た時には、ヒロインのライが魚顔で不美人に感じられたのだが、改めて見てみると、スタイルも良いし可愛かった。正直に言って、彼女の“埋め合わせ”は相当に羨ましいし、「文句を言わないのはセックスの時だけね」なんて言われてみたいものである。三十郎氏の好みが広がったのだろうか。年を取って若い女の子が誰でも可愛く見えるようになったのだろうか。理由はどうであれ、「可愛い」という感覚を楽しめる機会が増えるのは良いことである(三十郎氏は貧乏舌の方が人生を楽しめると思っている)。そんなライの父親が、カツラと整形感に満ちた顔をしていたのだが、実際にはどうなのだろう。

フランクが住んでいるニースの邸宅が素敵である。三十郎氏もあんな屋敷で悠々自適の生活を送ってみたいものだが、あの家に一人暮らしとなると、掃除が行き届かないだろう。

フランクのポロシャツの着こなしが、“ボタンを一番上まで留める”である。イギリス人は皆この着方をしているイメージがあるのだが、マッチョなステイサムがこうだと、なんだか窮屈な感じがする。アメリカ人なんかはボタンを留めずに楽にしているイメージがあるのだが、どういう経緯でこの着方が定着したのだろう。

トランスポーター (字幕版)

トランスポーター (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video