Anonymous Zombies, 79min
監督:リチャード・マックィーン 出演:ジェシー・ラポイント、カイル・ウィルス
★
概要
薬物中毒リハビリ施設をゾンビが襲う話。
短評
邦題詐欺である。そんなことは観る前から分かりきっていたものの、“字幕詐欺”まで使ってくるケースは珍しかったように思う。それらは全て日本の配給会社の罪であり、作品そのものとは無関係だが、それらの欠点を抜きにしてもつまらないことに変わりはなく、酷い映画だった。ユル~いノリで、「意外と観れなくはないかもしれない……」と一瞬だけ思ったが、褒めるべき点は何も見つからず、逆に「どうしてそうなる!」と憤りを覚えることすらあった。
あらすじ
薬物中毒からの更生のためにリハビリ施設を訪れたランディ。ルームメイトのイーサンや彼のストーカーであるリズ(コートニー・アルセノー)と共に挑むリハビリのプロセスは全く捗らず、遂には施設をゾンビが襲いはじめる。そして、彼らは施設の裏の顔を知ることとなる。
感想
施設はスマホの持ち込み禁止である。したがって、パッケージのようにゾンビと一緒に写真を撮ってインスタにアップロードすることなど不可能である。その時点でだいぶ詐欺なのだが、聞こえてくる英語とは明らかに違う形で「インスタ」という字幕が再三再四挿入されており、「これは酷い」と思わずにはいられない。そこまでインスタゾンビが受けると思っているのなら、自分たちで出資してインスタ中毒のゾンビ映画を作ればいいのに……。字幕詐欺がなくともつまらない一作ではあるものの、それが魅力の向上に一切貢献しておらず、せめてタイトルとパッケージの詐欺だけに留めておくべきだったと思う。
字幕によってインスタ中毒者にされてしまっているリズ。彼女はなかなかのセクシーボディをお持ちであり、登場シーンの豊満な尻には目が釘付けとなる。顔もそこそこ可愛いし、彼女にならばストーカーされるのも悪くない。そんなリズや、ランディに“口頭でのナイジェリアの手紙詐欺”を働く(顔はイマイチだが)巨乳のロージーがおっぱいを見せない一方で(後者なんて放り出しているのに。彼女の乳を揉むゾーエも巨乳)、湖畔でおっさんと盛るおばさんが醜いおっぱいを晒すという不可解な演出が見られた。違うだろ。需要を考えろよ。
なお、リズのインスタ中毒は字幕詐欺だと思うが、演者のインスタ垢を見る限り、本人は立派なインスタ中毒だと思う。
ゾンビ映画としてだが、メイクや攻撃表現はそこまで酷いものではなく、かなり稚拙ながらも「ゾンビ映画を作ってみたい」というノリだけ作ったアマチュア仕事な感じが伝わってきた。ランディが閉じ込められてしまった簡易トイレがゾンビのタックルによって倒される場面があるものの、そこまで汚い事態にはなっておらず、コメディなのに持てる素材を活かし切っていない印象が残る。ギャグもだだスベりであり、ダメ映画なりにもう少しやりようがあっただろうと思う。