オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』

The Expendables 3, 126min

監督:パトリック・ヒューズ 出演:シルヴェスター・スタローンジェイソン・ステイサム

★★★

概要

新旧消耗品軍団。

短評

スケールアップはしているものの、パワーダウンした感はどうにも否めないシリーズ三作目。「破壊するためだけに用意しました」と言わんばかりの舞台で繰り広げられる最終決戦は楽しいが、そこに至るまでの過程に無駄が多い。また、毎回新メンバーが加入するのはお約束なのだろうが、そのせいで既存メンバーの活躍が大幅に減少してしまっており、「違う。俺が見たいのはお前らじゃないんだ」という気分にさせられた。R指定を回避するために暴力描写もあっさりとしたものに留まっており、あらゆる面で、自らの持ち味を捨ててしまうようなことをしていたと思う。

あらすじ

スワジランドでの初期メンバー・ドク(ウェズリー・スナイプス)救出ミッションを成功させたエクスペンダブルズ。その足で武器商人ミンズの殲滅に向かうも、なんとそこには、同じくエクスペンダブルズの元メンバーであり、かつて殺したはずのストーンバンクス(メル・ギブソン)の姿があった。彼に返り討ちにされた上、シーザーが昏睡に陥る重症を負い、バーニー(シルヴェスター・スタローン)は一つの決断を下す。エクスペンダブルズのメンバーとは袂を分かち、新メンバーと共にストーンバンクスに挑むのだと。

感想

「お前たちが死ぬところだけは見たくないんだよ……」と軟弱になったバーニーに選出される若い新メンバーは、ハッカー兼クライマーのソーン、女用心棒のルナ(ロンダ・ラウジー)、兵器開発のマーズ、命令不服従の元海兵隊員スマイリーの四人……なのだが、そんなことはどうでもよい。最後は“旧”メンバーたちと一緒に戦うことなんて分かりきっているのだから。問題は、そのお決まりの展開へと導くためだけに物語の大半に旧メンバーが登場せず、最終決戦でも新メンバーに見所を作ってあげるために活躍が減らされている点である。

ストーンバンクスに拉致された新メンバーを救うため、「一人で戦う」と宣言するバーニー。そこに“不採用”にした中年ガルゴ(アントニオ・バンデラス)が現れ、「じゃあ二人で」と態度を軟化させるバーニー。二人で飛び立とうとすると旧メンバーが立ちはだかり、リー(ジェイソン・ステイサム)が「お前に付き合えるのは俺たちしかいない!」と言えば、バーニーは「早く乗れ」と先刻承知であるかのように振る舞う。なんだこの出来レースは。お前の覚悟はどこにいった。

そもそも自らを「消耗品」と称する命知らずが軟弱になってしまうのも残念なのだが、それが理由もなく解消されてしまって再度ガッカリだった。ただし、ロンダ・ラウジー以外は顔も知らない新メンバーに比べると(ソール役グレン・パウエルの顔は見たことがある)、居並ぶ旧メンバーの立ち姿には圧倒的なオーラがあり、「そうだよ、これこれ!」とテンションが上ったのは事実である。リーが助手席に戻ると、バーニーは「寂しかったよ」と漏らす。なんだこのおっさんカップルは。これは好きだけど。

ストーンバンクスを偵察するため、新メンバーたちとパラシュート降下するバーニー。彼らが降り立った先は、ルーマニアの首都ブカレストである。そんな都会にパラシュートで降りる必要はあったのか。秘密基地のような場所も整備されていたが、パラシュート降下で持ち込める物資の量ではないだろう。

続編の噂もあったシリーズだが、本作までの2年おきというスパンからはすっかり外れてしまっている。このまま立ち消えになってしまうのだろうか。どうせ期間が空くのであれば、三十郎氏としてはリーをリーダーに昇格させて新エクスペンダブルズを結成し、最後にバーニーが助っ人に現れるような展開を期待したいところである。

プライムビデオの配信版では、EDロールの後に7分ほどのメイキング映像が収録されている。最終決戦はブルガリアで撮影したそうである。メンバーが多過ぎて散漫になっていたり、お気に入りメンバーの活躍が削られている点については不満があるものの(監督や編集もバランス配分に苦労したことだろう)、全体としては火薬たっぷりで迫力のあるシークエンスだった。劇場公開時にはヤンがトレンチと一緒にヘリから銃撃しているだけなのを残念に思ったものだが、体調の問題があったと知れば、彼の出演だけでも喜ぶべきなのだろう。

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(字幕版)

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/11
  • メディア: Prime Video