オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ダーケストアワー 消滅』

The Darkest Hour, 93min

監督:クリス・ゴラック 出演:エミール・ハーシュオリヴィア・サールビー

★★

概要

電気星人の侵略。

短評

モスクワを舞台としたSFスリラー映画(パニック映画っぽいがパニック要素が薄い)。モスクワを舞台にした理由が最後まで分からなかったり、設定に目新しさが皆無だったりはするが、CGのクオリティは高く、“いかにもB級”というわけではなかった。ただし、設定を活かしきれていなかったり、終盤のご都合主義が酷かったりして、B級映画らしい残念さがあったのも事実である。

あらすじ

旅人SNSのプレゼンをするためにモスクワを訪れたショーンとベンの二人。しかし、仲間のスカイラー(ヨエル・キナマン)の裏切りに遭ってしまう。クラブで反省会中の二人が、アメリカ観光客のナタリー(オリヴィア・サールビー)とアン(レイチェル・テイラー)と知り合って飲んでいたところ、突如として停電が発生する。外に出てみると空には黄色いオーロラのような光が浮かんでおり、それが小さな塊となって地上に降り注ぐと、触れた者を粉々に粉砕しはじめる。

感想

せっかくロシアまでやって来たのに、アメリカ人観光客の二人(+裏切り者のスカイラー)と一緒に行動する意味が分からない。そこはロシア美女を誘えよ。だらしないショーンは「ロシアまで来たのにアメリカ人かよ」と主張するものの、堅実なベンが“可能性”の高さからか同胞に声を掛けたがる。三十郎氏は全面的にショーンに同意する。

それはともかく行動を開始し、徐々に“(非公式名称)電気星人”の特性が明らかとなっていく。無人クレムリン周辺の映像にはインパクトがあったのだが、これは実際に人払いして撮影したのではなく背景を合成しただけだろうか。“姿の見えない正体不明の敵”というのは、それだけでホラー要素のあるもので、“触れた物を粉々に砕く”という攻撃特性も相まって、それなりに緊迫感のある調査パートになっていたように思う。ただし、生体電磁波を感知するという電気星人視点の映像はサーモグラフィーと何も変わらず、物足りなさを覚えた。

しかし、敵の特性が判明していく過程はあまりに雑であり、“弱点”に至ってはやっつけ仕事と言う他にない。一介の電気技術者が弱点に気付いて活路を見いだせるような相手に対して世界が手をこまねいているなんて。世界よ、セルゲイを讃えよ。その上、見るからに荒くれ者な“ロシアン自警団”があまりに“協力的”すぎて、人間と人間の戦いの要素が一切ないのが不思議に感じられた。その展開にも飽き飽きしてはいるものの、男所帯に美女が紛れ込んできて出ていこうとしているのに、「よし、協力してやるぜ!」とはならないだろう。

「せっかくロシアなのにアメリカ女かよ」とは思いつつも、「アンとナタリーならナタリーの方が可愛いかな~」なんて考えていると、ヴィカちゃん(ヴェロニカ・ヴェルナドスカヤ)というロシアン美少女が登場して全てを持っていく。ここはロシアだ。もっとロシア美女こそを全面に押し出すべきだ。なお、“より可愛くない方”のアンは電気星人に襲われて命を落とし、ナタリーは「ロシアなのに……」と言っていたショーンとくっ付く。二人がイチャつく様子を見たヴィカのリアクションが「アホくさ……」というもので、正に三十郎氏の心中を表していた。

The Darkest Hour (字幕版)

The Darkest Hour (字幕版)

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