オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『進め!リストラ誘拐団~史上最低の誘拐計画~』

Chopping Block, 82min

監督:ジョシュア・ハル 出演:マイケル・マローン、レイモンド・ケスター

概要

リストラされたので上司の娘を誘拐する話。

短評

ホラー・コメディというジャンルは三十郎氏の好物であるものの、これはひたすらにつまらなかった。完全に自己満足でしかないアマチュアの仕事である。「リストラされたから誘拐してやる!」→「ヤバいことになった!」という“悪くはなさそうなプロット”からどうしてここまで退屈な映画が出来上がるのか。数少ない収穫と言えば、“笑えないコメディ映画のEDで流れるNG集ほど寒々しいものはない”と理解できたことくらいものである。

あらすじ

新しい上司トニーからリストラを告げられたドニーと、スティーブ、ヒラリー(ジャスパー・サムズ)、ウィル、リッチーの四人の部下たち。“最後の飲み会”でトニーに対する復讐を誓った彼らは、彼の19才の娘ダニエル(ヘイリー・マディソン)を誘拐することに決める。問題だらけで杜撰な計画の末に誘拐を成功させた五人だったが、彼らを大変な事態が待ち受けていた。

感想

映画冒頭で血まみれダニエルがフラフラと歩いているショットは悪くない。「おっ」と目を引くものに仕上がっている(抱えられた彼女の黒パンツとムチムチな太ももが良い。タトゥーは余計)。しかし、このフラフラが無駄に長いことで不安を感じたら、その後はストーリーで80分強の尺を埋めることすらできなかったことがありありと伝わってくるかのような、ダラダラとしたテンポの悪いコントをひたすら見せられるはめになる。

中にはクスリと笑えるようなネタもあるのだが(娘の結婚資金を出せなくなったスティーブが「再婚の時は好きにしていいから」と言うのは好き)、何と言うか……、“笑えるテンション”にならない。「もういいから話を進めろよ」としか思えないのである。それくらいグダグダな展開なのに、グダグダなのが逆に笑えるという水準に達しておらず、心が完全に冷めきったまま80分を過ごしてしまった。最低限の条件としてアルコールを入れておくべきだっただろうか。

一向に話の進まない誘拐計画の準備を経て、五馬鹿があっさりと犯行を成功させると、ダニエルを血まみれにした殺人鬼に追われるという展開が待っている。誘拐計画自体がグダグダなので、起承転結の“転”が機能することはない。なお、ダニエルの“血まみれ感”は良かったのに、それまでグダグダとのギャップを楽しめるようなグロ描写はなく、それまでと同じようなグダグダを続けるだけで終わりだった。この“本編”が始まるまでの長さも不満だったのだが、本編の出来がこうも悪いとなると、比率を改善したところでどうにもならなかっただろう。

進め!リストラ誘拐団 史上最低の誘拐計画(字幕版)

進め!リストラ誘拐団 史上最低の誘拐計画(字幕版)

  • 発売日: 2021/02/27
  • メディア: Prime Video