オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『悪霊館』

Along Came the Devil(Tell Me Your Name), 88min

監督:ジェイソン・ドゥヴァン 出演:シドニー・スウィーニー、ジェシカ・バース

★★

概要

母娘二代で悪霊に取り憑かれる話。

短評

ノクターン』での巨乳が印象的だったシドニー・スウィーニー主演のホラー映画。「出演者を目当てに観た映画は外れ」という経験則への信頼を深めただけだった。これから何が起こるのかを冒頭に文章で説明しておくという謎の親切心を発揮して“奇怪な現象”を気味悪がらせてくれず、悪霊は悪霊というよりもただの変態みたいで、最後に何番煎じか分からない『エクソシスト』的な描写が申し訳程度にあるだけである。これは退屈の一言に尽きる。

あらすじ

ジョーダンとアシュリーの姉妹は、母サラ(ヘザー・デヴァン)の謎の失踪を経験。その後、粗暴な父におびえながら、寄り添って生きてきた。やがてジョーダンが大学に進学。アシュリー(シドニー・スウィーニー)は母の妹(ジェシカ・バース)に引き取られる。だが久しぶりに故郷に戻った彼女を、母に取り憑いた悪霊が狙っていた。

『悪霊館』より。句点、読点、キャスト情報は筆者が追加

感想

以上の内容が本編開始前にそのまま説明されるため、アシュリーが母を目撃したり、二本角の悪霊が彼女の周囲をうろついていても、「怖い」という感情は一切湧いてこない。「これは全部悪霊の仕業なのだな」「こいつがアシュリーに取り憑くんだな」と勝手に納得するだけである。その上、物語は当然に説明の続きから始まるのかと思いきや、特に意味の感じられない幼少時代のエピソードが挿入されていて混乱を誘う。

ホラー映画の定番である“悪霊の悪戯”的描写では大したことが起こらず、姿を見せた悪霊はアシュリーに欲情して鼻息を荒くしている変態さんにしか見えない。悪霊が彼女に取り憑いてから“本編”が待っているのかと思いきや、ヘッポコ牧師が見事悪魔祓いに失敗するだけで、どこで盛り上がればよいのか分からなかった。なお、新任牧師のジョンが街の風景を撮影中にアシュリーを盗撮する場面があり、その後で彼女に話し掛けるシーンが悪霊とは別の意味で変態感を醸し出している。ちなみに、牧師はキヤノンユーザーである。

「俺に任せろ!」「俺にしか彼女を救えない!」と出しゃばった末に失敗するマイケル牧師も酷いものだったが、アシュリーの周囲は酷い人だらけだった。彼女が悪魔憑きに遭って大変な状態になったため叔母ターニャがジョーダンに「帰ってきて」と電話する場面があるのに、姉は帰ってこない。また、アシュリーの旧友でモルモン教徒のハンナ(マディソン・リンツ)が「お母さんに会えるかも!降霊会やりましょ!」と言い出すのだが、「あ、失敗しちゃったかも(テヘペロ」と逃げていく。なんだ、こいつら……。悪霊なんていなくても精神に変調を来しそうである。

本作は「実話に基づく」とのことだったが、悪魔に憑かれた人を教会に監禁した事実が知れ渡ろうものなら騒ぎになるだろうし、牧師が殺された時点で警察も介入するだろう。

おっぱいばかりが目を引くシドニー・スウィーニーだが、モデル体型のハンナと並ぶと“ずんぐり”感が際立っていた。“憑かれた”バージョンの演技は頑張っていたと思うが、ホラー映画に主演するならスクリームクイーンを演じてくれた方が嬉しかったと思う。なお、入浴シーンがあるものの水面には大量の泡が浮かんでおり、寝姿の定点観察もセクシーではない。聖水を掛けられて吹っ飛ぶシーンでは豪快にパンチラしている。

悪霊館(字幕版)

悪霊館(字幕版)

  • 発売日: 2019/04/26
  • メディア: Prime Video