オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『隕石が落ちた夏』

Les météorites(Meteorites), 84min

監督:ロマン・ラグーナ 出演:ゼア・デュプレーズ、ビラル・アガブ

★★★

概要

高校中退女子の夏。

短評

特に何も起こらないフランス映画。映画の冒頭で隕石が落ちてくるが、これは恐らく“外の世界”の隠喩だろう。主人公がその隕石を気にしているということは、彼女の世界が閉じられていることの逆説であり、それは彼女に特別なことが起こらないからに他ならない。きっとヒロインが美人でなければ退屈で観ていられなかったのではないかと思うが、顔の痣が『グランド・ブダペスト・ホテル』のアガサを想起させて素敵だし、ちらりとではあるが立派なおっぱいも拝めるし、彼女のアンニュイな姿をぼんやりと眺めるのも悪くなかった。

あらすじ

高校を中退し、テーマパークで働いているニナ(ゼア・デュプレーズ)。ある日、彼女は山の向こう側に隕石が落下するところを目撃する。

感想

いつもよりも非常に短いあらすじとなったが、これ以外に書くことが思いつかない。ニナが働いたり、遊んだり、男と出会ったり別れたり(そして交わったり)するという、“ごくごく普通”の風景が淡々と描かれていく。ニナは「隕石を見た時は世界が滅ぶのかと思ったけど、あなたと出会うサインだった」と発言していたが、この恋も決して劇的なものではなく、何事もなく過ぎ去る日常の一場面であったように思う。

ニナの同僚ジャミラ(ウーマイマ・ラムーリ)にはパリに行く予定があるらしく、彼女の兄でニナの恋人となるモラドは父のいるアルジェリアへと去り、友人アレックスは軍に入隊する。ニナの母親は何をしているのかよく分からない。この状況は明らかに、“ニナだけが取り残されている”ように感じられる。高校を中退し、目標もなく日々を漫然と過ごし、バスに乗らねば町にも出られないような田舎に逼塞している。

そこに起きた“変化”が恋だったわけだが、これは結局ニナに本当の意味での変化をもたらしてくれなかった。それまでの日常の延長線上の出来事なのだから当然である。そこで彼女は気付く──隕石の落下地点を見に行かなきゃ、と。それはちょうど“靴に入り込んだ小石”のような存在であり(そのままの演出がある)、取り除かずしては次に進めないものなのだと。

恐らくニナは変化を望んでいたのだろう。産婦人科を受診したのも、ただ妊娠の可能性があるからというだけではなく、心のどこかに「もし妊娠していたら何かが変わる」という期待感があったのではないか。隕石を見たからといって何かが変わるわけではないだろうが、彼女はまだ16才。外の世界に一歩踏み出すという行為そのものが非常に重要な意味を持つはず。(諸説あるが)隕石が恐竜を滅ぼしたように、彼女の“古い世界”は変化を強いられることになる。

ジャミラから「捨てられるわよ」と注意されていたのにモラドと交わり、その言葉の通りにヤリ捨てされるニナ。(少々お行儀は悪いが)こんなに可愛いのに!こんなにおっぱいも大きいのに!一発ヤればそれで飽きてしまうなんて、ちょっと酷すぎやしまいか。一体モラドはどれだけモテるのだろう。元々アルジェリアに行く予定があったからなのか。それはともかく、セクシーな水着姿だけでなく乳輪大きめな“布の向こう側”も拝めて嬉しかった。

ニナがアニメ『進撃の巨人』を見ていた。フランスでも人気なのかな?

隕石が落ちた夏  (Les météorites)

隕石が落ちた夏 (Les météorites)

  • メディア: Prime Video