オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『恐怖ノ白魔人』

Aux yeux des vivants(Among the Living), 87min

監督:ジュリアン・モーリーアレクサンドル・バスティロ 出演:アンヌ・マリヴィン
セオ・フェルナンデス

★★

概要

白ハゲに襲われる話。

短評

“松竹恐怖ノシリーズ”の第四弾。青春ホラー映画的な雰囲気のある導入部が良い分だけ『黒洋館』よりは楽しめたが、邦題が豪快にネタバレしている白魔人が割と早い段階で登場し、「何者なのだろう……」という怖がり方を楽しませてくれなかった。登場後のスプラッター描写も大したことはなく、“正体が分かったらガッカリする”タイプの怪人が中途半端に暴れているだけで、それは恐怖よりも笑いの対象だった。

あらすじ

ヴィクトル、トマ、ダニエルの問題児三人組は、夏休み前の居残り授業から逃げ出し、かつて有名だった映画の撮影所跡地を訪れる。そこで見つけた車のトランク内に拉致された女性がいると分かって助けようとするも、犯人たちに見つかって逃げ出してしまう。それぞれ帰宅した三人だったが、白魔人が彼らの前に現れる。

感想

映画冒頭のテレビ番組で「毒ガスが云々」という話をしているので、白ハゲ(=クラランス)はその影響で生まれたのだろう。その姿を見た母親がトチ狂って自殺してしまったので、父親と共に廃墟となった撮影所跡地で暮らしている。女性を拉致するのは、(よく分からないが)どうも“家族をつくる”ことが目的であるらしい(贅沢にも若い女を選びやがって)。そんな秘密の生活が三人組に見つかってしまったため、口封じのために殺しておかなければならない。大まかな流れはこんなところだろうか。

そうして三人組が白ハゲの襲撃を受けるホラー展開が始まるわけだが、白ハゲの正体はもう少し伏せておいてくれないと、怖がろうにも怖がれない。だって、思わずフフッと笑ってしまうようなビジュアルなのだから。ヴィクトルの義父の口に足を突っ込んで殺す攻撃なんかは湿っぽっくて良かったと思うが、彼の母親(アンヌ・マリヴィン)に馬乗りになって“ペチンペチン”しているところなんてギャグでしかないし、ヴィクトルに一発殴られて気絶するのも雑魚すぎる。ビジュアルと行動の両方が滑稽でしかなかった。

この白ハゲの行動がどうして阿呆でしかないかと言うと、彼が“6才児”だからである。ヴィクトルの家に全裸で現れた際に披露している“超短小”のアレは、6才児のソレだったわけである。「この大きさで使い物になるのだろうか……」と心配になったが、6才児が相手であれば無用な心配だった。ただし、股間以外の身体は大人サイズに成長しているわけで、やはり問題があるのは間違いなさそうである。果たして、彼はどうして全裸で襲撃したのか。他の場面では服を着ているのに。

白ハゲも阿呆だったが、監督も細かい点は無視しているようだった。白ハゲはヴィクトルが落とした“迷い猫のビラ”から三人組の住所を突き止めるのだが、これではヴィクトル以外の二人には辿り着けないだろう。また、ヴィクトルの妹ルイーズの部屋には“猫用入口”を通って侵入するのだが、これも物理的に無理があるだろう。メガネのレンズで“点火”する場面も見られるが、これは『蝿の王』のせいで多くの人が誤解してる科学的正確性を欠く描写である。『BEYOND BLOOD』で紹介されていた映画の中でも特に気になった『屋敷女』の監督作品ということで期待したが、調べてみるとリブート版『レザーフェイス』の監督で、同作を観てみたいという気持ちも少し萎えてしまった。

ヴィクトル以外の二人は白ハゲに殺さてしまう。粗暴な父がいたり、金持ちだけど子守に預けられたりしていて、複雑な家庭環境がありそうなものの、それと白ハゲの存在の結びついてこない。白ハゲの襲撃自体は、それこそ『悪魔のいけにえ』のように理不尽なものであり、彼らの恐怖や不安が象徴されているわけではなかったように思う。なお、ダニエルの子守ミラ(クロエ・クルー)は巨乳であり、白ハゲに殺されて服を脱がされている。6才児のくせにマセてるな!でも、ありがとうよ!ダニエルも死ぬ前におっぱい拝めてよかったね!

恐怖ノ白魔人(字幕版)

恐怖ノ白魔人(字幕版)

  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: Prime Video