オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『48時間』

48 Hrs., 96min

監督:ウォルター・ヒル 出演:ニック・ノルティエディ・マーフィー

★★★

概要

刑事と囚人の共同捜査。

短評

『星の王子 ニューヨークへ行く2』の独占配信を控え、プライムビデオにエディ・マーフィーの出演作が続々と追加されている。肝心の『星の王子 ニューヨークへ行く』は配信開始日の3月5日の少し前に観るとして、他の作品もチェックしておこう。エディの映画デビュー作となった本作は、ウォルター・ヒルらしくハードボイルドな雰囲気を漂わせながらも、そこにエディの笑いがアクセントをつけるアクション・コメディとなっている。アクションとコメディの両方に良いところがあり、バランスも上手くとれていた。

あらすじ

屋外での刑務作業中に仲間の先住民ビリーと共謀した囚人ギャンズが、二人の看守を射殺して脱走する。サンフランシスコ市警のジャック(ニック・ノルティ)は、別件の捜査中にギャンズたちと対峙することになるも、相棒のアルを殺された上に、まんまと逃げられてしまう。ジャックはギャンズのかつての強盗仲間で収監中のレジーエディ・マーフィー)に協力を求め、彼を刑務所から連れ出す。その制限時間は“48時間”。

感想

初めは「囚人風情が……」的につれない態度のジャックだが、レジーの活躍を見て徐々に態度を軟化させていく。その切っ掛けとなるのが、レジーの白人向けバー(ニップレス姿で踊るダンサー付き)での聞き込み調査である。ここで彼の見せる口八丁手八丁の“はったり力”が、完全に『ビバリーヒルズ・コップ』のアクセル・フォーリーのそれであり、同作はこのシーンに着想を得て制作されたのではないかという気がしてきた。本作の中でも屈指の楽しいシーンとなっている。

コメディの部分はレジーが担っているので、その代わりにジャックがアクションを……という程に大暴れするわけではないのだが、ウォルター・ヒルらしい(という程には彼の作品に詳しいわけではないのだが)カー・アクションを楽しむことができる。どんな酷使をしたのかボロボロとなったコンバーチブルのキャデラックを乗り回し、ギャンズたちの乗ったバスとカーチェイスを繰り広げる。車体がデコボコになるのも納得である。ここで車内から銃撃戦を繰り広げる時のレジーの顔つきが締まっていて格好よく、笑い以外の別の魅力を披露している。

オシャレにこだわりのあるレジー。苦痛だった囚人服を脱ぎ捨てると、ダブルのスーツをバッチリとキメている(収監前の真っ赤なスーツも似合うのだろう。目が痛くなりそうだが)。そのスーツを着たレジーがクラブで女を口説くのだが、“ホテル代”をジャックから借りようとする場面が微笑ましかった。ギャンズたちも脱獄するなり娼婦を買っていたし、刑務所生活は“そっち”に走らない限りは“溜まる”んだろうなあ……。再収監前に念願が叶ってよかった。それにしても、お相手の女性は一度置き去りにされたのに、よく応じてくれたものだと思う(そもそもナンパの仕方も相当に酷い)。

本作のバディ・ムービーとしての側面だが、“コワモテ刑事”と“お調子者の囚人”というデコボコな組み合わせにせよ、頭の硬い前者が“黒人かつ囚人”の後者に対して徐々に心を開いていくという展開にせよ、お約束通りではあるものの、80年代の映画だと「既視感」よりも「安定感」を覚えるのは何故なのだろう。ジャックの心境の変化を表現するために、彼の上司の“黒人”から非難されるレジーを守る場面があるのも面白かった。

48時間 (字幕版)

48時間 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video