オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『スティーヴン・キングは殺せない!?』

You Can't Kill Stephen King, 82min

監督:モンロー・マン、ロニー・カリル、ホルヘ・バルデス=イガ 出演: モンロー・マン、ロニー・カリル

★★

概要

スティーヴン・キング自宅付近での連続殺人事件。

短評

“こてこて”のホラー映画的状況やスティーヴン・キングの作品をパロディしたコメディ映画なのだとは思うが、『イット』や『シャイニング』といった映像化されている有名作品以外は元ネタが分からないし、分かるものですら特に笑えないという目的不明の映画だった。もちろん怖くはない。マニアにとっては「あの作品のこの場面だ!」を探す楽しみでもあるのだろうか(それで楽しんだのは制作者だけな気がする)。セクシー美女が三人も登場するのに、彼女たちのおっぱいが拝めないのも残念だった。オチは割と上手くまとめたと思うが、「だからどうした」となるくらいには他が酷いものだった。

あらすじ

ホラー作家のスティーヴン・キングが住んでいるとされるメイン州の湖畔の別荘に遊びに来たニコール(ケイル・ブローニャ)、ローリー(ケイト・コステロ)、ヒラリー(クリスタル・アーネット)と男三人の六人組。しかし、給油に行ったラモントがバラバラ遺体となって発見されたことを皮切りに、一人、また一人と何者かに襲われ始める。キング作品オタクのロニーは事件と作品との類似性を指摘するが、逆に事件の時に一人になっている彼が疑われてしまう。

感想

田舎町に遊びに来たリア充(イケイケ美女三人と冴えない男三人の組み合わせは謎)、ワケアリ感マックスの地元民たち、怪しげな子供たち。これらの”お約束”の要素を「これでもか」と揃え、『キャビン』的にコメディ映画へと転化するのかと思われたが、一向にその様子が見えてこない。ただただつまらないだけのホラー映画をやっていて、どこで笑ってよいのかがさっぱり分からない。

数少ない笑えるネタがキングオタクのロニーの気持ち悪さなのだが、これは“本編”の面白さとは無関係である。果たして、監督・脚本・主演の全てを自分でやってしまったモンローとロニーのコンビは、キングへの敬意を払った上で「自分たちオタクはこんなに気持ち悪いです」と自虐ネタをやったのか。それとも、「キングオタクなんて気持ち悪いだけ」とバカにして本作を作ったのか。それすらも分からなかった。

ドライブ中に物を渡す振りをしては巨乳美女ニコールの胸元を覗き込む童貞ロニー(気持ちは分かる)。告白ゲームの「同性としたことがある人?」という質問の後にニコールとローリー(服を着た後に水着を脱いて乳首が立っている)がキスを始めると、思わずトイレに駆け込んで“処理”するロニー(気持ちは分からない。ちなみにバレる)。仲間が殺されているというのに、ニコールのシャワーを覗いて自らを慰めるロニー(気持ちは少し分かる。ちなみにニコールにキスして慰めようとするのは拒否られる)。彼は事後に必ず自分の右手の臭いを嗅ぐのだが、そこに残されているのは自身の臭いだけだろうに。こうなると巨乳美女よりもオスの方が好きなのではないか。

ロニーが眠っていると、自分が『シャイニング』のダニーになった夢を見て、裸(大事なところは隠れている)美女三人組が登場する。彼が交わろうとすると、美女がペニーワイズ化したラモント(パッケージの人)と入れ替わっている。この“淫夢”の他に、帰還兵のモンローがPTSDを発症してジャック化する場面なんかは元ネタが分かるが、だからと言って笑えるわけではなかった。

ニコール、ローリー、ヒラリーの三人は、とてもスタイルも顔も良い美人揃いで、彼女たちが水着姿ではしゃいでいる時には“その後の展開”を大いに期待したのだが、結局見せてはくれなかった。ニコールなんてシャワーシーンもあるのに!『シャイニング』のバスタブから出てくる美女(リア・ベルダム)は胸にバラなんてつけていないし、パンツだって履いていないのに!せめてここだけでもいいから再現にこだわれよ!レーティングの問題なのかと思いきや、ロニーが想像するポルノ女優は普通におっぱいを出しているという謎である。

「尻に敷かれる」ことを、英語では「pussy-whipped」と表現するらしい。

スティーヴン・キングは殺せない!?(字幕版)

スティーヴン・キングは殺せない!?(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video