オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『幽霊道士』

※原題不明, 65min

監督:王嘉華 出演:王城鈞、万昕

概要

女社長と童貞部下が謎空間に飛ばされる話。

短評

キョンシー映画みたいだし、とりあえず……」と軽い気持ちで観てみたら、これがとんでもない珍作だった。1986年に同名の香港映画(『幽霊道士(疆屍小爺)』)が制作されているようだが、本作はスマホの登場する最近の作品であるらしい。「らしい」というのは、Gyao!の配信ページ以外に全く情報が出てこず、日本での配給を担当しているという「KaraOK株式会社」なる会社も見つからないとう摩訶不思議なのである(監督の名前「王嘉華」で検索しても台湾人留学生が出てくる)。これだけ意味不明な一作なので、内容も当然に意味不明だった。

あらすじ

女社長ナンが、夫のいない夜に怖い夢を見て、部下のリーを電話で呼び出す。法術の心得のあるリー曰く、「社長の誕生日だとここに住んではいけない」とのことで、二人は部屋から脱出。しかし、突如として謎の空間に転移してしまう。そこには強い悪霊の関小晴や、彼女のかつての夫であるキョンシーが待ち受けていた。

感想

水着美女がプールから上がり、ベッドで横たわるイメージビデオのような描写からスタートするという謎映画である。「一体これは何なのか……」と戸惑っていると、意味不明な勢いのままに謎空間に飛んで更に戸惑うことになる。その後、台詞による説明が適宜挿入されるのだが、完全に置き去りにされている感は否めない。途中でナンの夫を見つけ、リーと師匠との出会いや真の目的が語られ、ナンが悪霊に取り憑かれ、最終的に謎空間を脱出すると、ナンがリーにヌードを描かせている(脱がないけど)。よく分からないが、とにかく勝ったのだ。

これまでに三十郎氏は12本のキョンシー映画を観てきたが、今回、キョンシーについての知識が新たに一つ加わった。謎空間に転移するなり、「見ないでくださいよ」と言いながら小便をするリー。ナンは「ちょっと!こんなところで何やってるのよ!」とツッコむが、リー曰く、「キョンシー映画を観ないんですか?童貞のオシッコにはキョンシーを退治する効果があるんですよ」とのこと。知らなかった……。息を止めるとキョンシーに探知されないという定番の描写は本作でも健在だったが、童貞の小便にそんな効果があるとは……。

謎空間でナンの夫を発見し、彼女は夫とりんなちゃん(冒頭の水着美女)との浮気を咎める。これに対して夫が「男は皆浮気するものなんだよ」と言い訳するが、リーは「こっちを見ないでください。僕は童貞です」と堂々の童貞アピールをするのだった。冒頭ではりんなちゃんの水着姿に鼻血を流し、最後は社長で鼻血を流すリー。キョンシー映画なのか何なのかすら意味不明であり、(水着美女の美女レベルも含めて)全てが低クオリティな本作にあって、彼の童貞要素だけが唯一の清涼剤だった。

かつてリーの師匠が封印したという謎空間。その壁には術を使わないと見えない呪符が貼られており、キョンシーが封印されている。しかし、その呪符はナンの“くしゃみ”によって吹き飛ばされ、キョンシーが解き放たれてしまう。このダメ師匠!