オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『インターンシップ』

The Internship, 119min

監督:ショーン・レヴィ 出演:ヴィンス・ヴォーンオーウェン・ウィルソン

★★★

概要

中年セールスマン二人がグーグルのインターンに参加する話。

短評

“世界一の職場”グーグルを舞台にしたコメディ映画(グーグル的なオフィスを見られるのも本作の楽しさの一つだが、流石に別の場所で撮影したらしい)。ハイテクの天才たちに超アナログのおっさんたちが挑むという構造は鉄板である。また、その落とし所として、「人と情報を繋ぐ」というグーグルのサービスに繋げられている点も上手かった。

あらすじ

そうとは知らずに営業活動をしている最中に客から会社が倒産した事実を知らされたビリー(ヴィンス・ヴォーン)とニック(オーウェン・ウィルソン)の二人。ビリーがグーグルの(学生向け)インターンに参加することを思いつき、二人は「多様性」の名の下にネット面接を突破。チーム制のインターンで「優勝チームのベンチウォーマー」を目指す二人だったが、7才まで母乳を飲んで育ったヨーヨー、スマホ中毒で口の悪いスチュアート、レイア姫のコスプレが好きなネーハ(ティヤ・シルカー)の残りものチームに配属される。

感想

残りものの集まりの中でも使えなさすぎてハブにされる二人だったが、“クィディッチ”のハーフタイム・スピーチから徐々にメンバーの信頼を掴んでいく。アプリ開発の課題が行き詰まれば、「よし、飲み会でリセットだ」とオタクたちを刺激的なダンスクラブに連れていき、コールセンター業務では持ち前の話術を発揮。最終課題は新規広告の獲得で、得意分野で大逆転という大団円である。飲み会が結果的にアプリのアイディアに繋がる展開が意外にスマートだったりして、“勉強では身につかないコミュ力”というビリーたちの長所を上手く話に織り込めていた。アナログの勝利に終わるのはお約束どおりなのだが、デジタルへの適応を前提としている点が珍しい。

ネット面接を“図書館”で受けるビリーとニック(有名な“意味不明な質問”も出てくる)。この時点で“アナログおじさん”という性格の付与には成功している。社内の無料のコーヒーや食品、無人タクシー、年下上司に戸惑ったり、先進企業の社内倫理とは真逆を行ってみたりと(社内恋愛は禁止らしい。なかったことにされていたが)、コメディの“軸”となる要素がとても上手くいっていた。

本作の描くインターンの内容がどの程度事実準拠なのかは知らないが、確かにクィディッチのようなバカな遊びをやっていそうなイメージはある。『ソーシャル・ネットワーク』ではザッカーバーグが入社希望の学生に“泥酔プログラミング競争”を課していたが、アメリカのオタクたちは陽キャ的なノリがお好きなようで。ただし、社員が「私はグーグラー。君たちはニューグラー」とダダ滑っている場面からも分かるように、その“特有のノリ”が滑稽に思われていることも事実らしい。

社内では陽キャの如く振る舞っているオタクたちが、初めてのストリップクラブという刺激的な空間に戸惑いつつも興奮する。“広い世界”は最高である。スマホから顔を上げよう。三十郎氏は、テック企業のオタクが無理している感のある陽キャ文化よりも、こちらの桃色陽キャ文化を体験してみたい。ヨーヨーがラップダンスで“連射”するネタが好きだった。ここでネーハ(処女)がHentai文化の愛好者であると告白している。「タコに少女が犯される」という日本の漫画を読んだそうだが、これは江戸時代の春画以外に、現代のエロ漫画でも描かれているモチーフなのか。

件のクィディッチだったり、ウィル・フェレルやロブ・リグルといったコメディ映画の常連たちが脇を固めていたりと、ちゃんとバカ映画らしい笑いも提供してくれる。特にロブ・リグルが老人ホームに電動車イスの営業をかける場面なんかは、映画から少し浮いているくらいの“わざとらしさ”が逆に良かった。彼のおかげで“転”の要素がサラッと仕上がっており、あってないようなドラマ性に重きを置くのを避けてられている。

ヨーヨーが7才まで母乳を飲んでいたという母親(Chuti Tiu)がMILFだった。

プライムビデオの冒頭の字幕が乱れていた。営業に入る前の短いシーンなので特に支障はないが。

インターンシップ (字幕版)

インターンシップ (字幕版)

  • 発売日: 2015/03/18
  • メディア: Prime Video