オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ビジネス・ウォーズ』

Unfinished Business, 90min

監督:ケン・スコット 出演:ヴィンス・ヴォーントム・ウィルキンソン

★★★

概要

従業員三名の会社の社運を懸けたベルリン出張。

短評

ヴィンス・ヴォーン主演のコメディ映画。ネタ自体は笑えるものが多いし、ストーリーのまとまりのなさも許容範囲内ではあるものの、この手の映画のお約束として終盤に登挿入される“いい話要素”が強く出すぎていて、阿呆映画に徹しきれていなかった印象である。プライムビデオの配信タイトルに「完全無修正版」とある通りに陰茎が無修正で登場するようなバカな演出とのバランスが悪くて不満は残るものの、おっぱいもたくさん拝めるし、90分間頭を休ませることはできる。

あらすじ

5%の減俸提案を飲めず、大企業を退社して独立したダン。駐車場で出会った定年退職者ティムと面接を受けに来ていたマイクをスカウトし、ドーナツ屋をオフィスとする“エイペックス社”を立ち上げる。それから1年、苦戦が続いていたものの、遂に大型契約に漕ぎ着けようかというその時、ダンの元上司チャック(シエナ・ミラー)の横槍が入り、契約が白紙に戻ってしまう。そこで、ダンと二人の部下は契約のキーパーソンに会うためにベルリンへ飛ぶことに。

感想

エイペックス社の愛すべき従業員二名。一人は、「離婚したいから慰謝料が要る」という理由で定年退職後も働いている67才のティム。彼は“愛”を求めてやまない色狂いで、出張先のホテルにメイド姿のコールガールを招聘。彼女がダンの部屋に来たため、ティムは本物のメイドに指示を飛ばすのだが、この“非接触プレイ”がなかなかマニアックだった。ユースホステルで若者と仲良くなってエクスタシーを楽しんだりと、とても元気なシニアである。

もう一人は、大学未卒で“特別な学校”を出ているマイク・パンケーキ。ビジネスの場でフルネームを言うことを禁じられているマイクだが、確かにこの名を聞けば思わず聞き返すか、イジりたくもなるだろう(ギリシャ系に似た名前が本当にあるのか)。彼に関するギャグは“知的障害者イジり”なので、割と危ういラインではあると思うものの、三十郎氏は笑えた。特に、ティムの憧れの体位であるという“手押し車(wheelbarrow)”で男女逆転している場面が好きだった。相手の女(ジル・フンケ)も教えてあげればいいのに。別の相手とは見事に性交していたが(ゲイバーに行くシーンがあるため、そこで成就するのではないかと思ったが予想が外れた)、受け入れ側は体勢維持の大変さが快感を上回りそうな気もする。どうなのだろう。しかし、童貞のくせにモテるな、パンケーキ!これだからイケメンは。

そんな阿呆社員を二人を率いる社長ダン。彼の真面目さにより話が明後日の方向に逸れることなく進行するものの、映画が大人しくまとまってしまっている戦犯でもある。彼がドイツの混浴スパ(素敵!行ってみたい!)で股間を露出することにより交渉が進む場面がある。ダンは「僕たちもサポートします(=おっぱい見たい)」と申し出る部下二人を待たせ、一人で相手に会いに行く。冷静に考えればスーツ姿でスパに侵入する時点で相当にイカれているため、欲望に忠実な部下二人の方がよっぽど“マトモ”に思える。この辺りのギャップを上手く活かせればよかったのだが、ダンが“振り回される常識人”の役割に収まってしまっており、細部のおバカぶりに対して映画全体の阿呆さがもう一つ物足りない原因となっていた。

取引先で唯一エイペックス社に友好的なビル(ニック・フロスト)を取り込むため、彼が休暇中に訪れているゲイバーに潜入する三人。このバーのトイレは壁に“穴”が空いており、ビルはそこから“こんにちは”させている。恐るべしゲイの世界。ちなみに彼は巨根であり、このシーンは無修正である。ビルが話す時に、まるで陰茎が喋っているみたいに動くのが可笑しかった。

「フルーゲル・シュラーゲン」の意味が気になって調べてみたのだが、「Flügel」は「翼」、「schlagen」は「叩く」という意味で、「Flügeschlagen」として意味を成す言葉ではないのだとか。

ダンの娘ベスが、「あなたの父親はどんな人?」という宿題を父親にさせている(最終的には自分でするが)。かつて「署名だけするから推薦書の内容は自分で書いてね」と言われ、自分で自分を褒めることの、その内容を“推薦者”が読むことの、二重の恥ずかしさを味わった経験を思い出した。

ビジネス・ウォーズ (完全無修正版) (字幕版)

ビジネス・ウォーズ (完全無修正版) (字幕版)

  • 発売日: 2015/10/22
  • メディア: Prime Video