オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゾンビワールド』

Zombieworld, 100min

監督:ジェシーバゲット他 出演:ビル・オバースト・Jr、ケビン・アレン・ビックネル

★★

概要

ワールド・ゾンビ・ニュース。

短評

「ゾンビ・アポカリプス化した世界の様子を報道します」という設定のオムニバス映画。もっとも、ほとんどのエピソードはニュース映像として体を成しておらず、この設定に意味はない。それ以外のあらゆる要素のレベルの低さとは対称的に人体破壊の描写だけは相当に気合が入っていて“アラガォンみ”を感じさせたが、『Fist of Jesus』と『Brutal Relax』の二つを除くと独創性に欠ける小噺程度のものでしかなかった。

あらすじ

研究施設ウィルスが流出し、またたく間に世界にゾンビが満ち溢れる。KPRSニュースのマービン・グロウトは、世界各国でのゾンビとの戦いの様子を、自らもゾンビ化しながら伝えるのだった。

感想

最初のニュース『Fist of Jesus』は紀元前のエルサレムから。キリストが復活させたラザロの正体がゾンビで、彼はユダと共に、パリサイ人、ローマ人、そしてカウボーイのゾンビとの戦いに挑む。ラザロがゾンビという点は上手く考えたものだと思うが、どうしてこの時代のエルサレムにカウボーイがいるのか。この段階で戸惑うこと必至だが、映画は更なるカオスへと突き進む。なんと、キリストの武器が“魚”である。それも高校の文化祭レベルのチープな小物である。ローマ兵の衣装も手作り感が溢れているし、そもそも設定が意味不明だし、色々と酷いのだが、スプラッター描写だけはやけにレベルが高い。意味不明過ぎて笑えてくる一作だった。絶望して首を吊ったユダをキリストが蘇生し、そのままもう一度首吊り状態になるネタも笑えた。

このエピソードで三十郎氏の心を掴んだ本作だが、その後は低調なエピソードが続く。出来の悪い『ゾンビランド』もどきな『How to Survive a Zombie Apocalypse』。殺されてしまったルームメイトに男がしみじみ語っていると、「お前が嫌いだからゾンビになって食ってやる」という遺書が出てくる『I am Lonely』。ブロードウェイからのライブ中継のはずが田舎のガソリンスタンドの監視カメラ映像が流れる『Dead Stop』。ゾンビと化したフィアンセとの“死が二人を分かつ後も”の永遠の愛を誓う『Home』。ゾンビ視点でゾンビのくせに相手がゾンビだと見抜けない瞬間の出てくる『Dead Rush』。ゾンビゲームで遊んでいると画面の中に吸い込まれ、次に遊ぶプレイヤーに殺さてしまう『Telepotal』。郵便配達人が配達証明のサインを貰うために待っていると、ゾンビみたいな相手が帰宅する『Certified』。アイディア自体は悪くない作品が多いものの、最初の『Fist of Jesus』のインパクトが絶大過ぎて、いずれも特に印象に残らなかった。

退屈な時間が続いた後に、ようやく登場する真打ち『Brutal Relax』。『Fist of Jesus』に負けず劣らずカオスな一作である。白ブリーフに白靴下という出で立ちでビーチリゾートを訪れたハゲデブ男が、身体に泥を塗って音楽を聞いていると、海からゾンビ軍団(?)が出現して人々を襲い始める。初めは我関せずなブリーフ男だったが、ウォークマンの電池がなくなって何故かキレる(電池と関係なく泥で故障しそうなのに)。そして、このブリーフ男が滅法強い。そこから先は『Fist of Jesus』と同じく、実に豪快で笑えるスプラッター描写を楽しめた。

ゾンビワールド(字幕版)

ゾンビワールド(字幕版)

  • 発売日: 2020/11/28
  • メディア: Prime Video