オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ビバリーヒルズ・コップ2』

Beverly Hills Cop II, 102min

監督:トニー・スコット 出演:エディ・マーフィー、ジャッジ・ラインホルド

★★★

概要

デトロイト市警がビバリーヒルズの事件に首を突っ込む話。

短評

前作のヒットを受けて予算が増えたのか、色々とスケールアップしたシリーズ2作目。もっとも、火薬の量が増えて映像的に派手になった以外は、清々しいまでに同じネタと展開を繰り返しているだけである。これは評価を下げるべき点なのだろうが、主人公の話芸以外にLAPDの迷コンビのキャラクターの変化にも笑わせてもらったし、前作と同じく安心して楽しめる一作だったかと思う。

あらすじ

遂に正式な予算がついての潜入捜査に励むアクセル(エディ・マーフィー)に、ボゴミル警部(めでたく昇進!)が撃たれたとの一報が届く。彼は捜査中の事件を放り出してビバリーヒルズへ向かう。新署長ラッツから交通課に格下げされていたローズウッドとタガートの二人と共に、アクセルは警部の敵を討つべくABC強盗事件の捜査に挑む。

感想

主人公アクセルの仲間が撃たれ、デトロイトでの本業を投げ捨ててビバリーヒルズで捜査にあたる。捜査の適法性は完全に無視し、口八丁手八丁で相手を丸め込むが、最後は犯人を退治したのでオールオッケーの大団円。本シリーズはほとんどアクセルの“キャラクター映画”なので、奇をてらうと却って仇となる可能性もあるが、ビバリーヒルズ行きの動機の部分くらいは少し変化させてもよかったのではないか。捜査の流れについては前作よりも“刑事モノ”らしさを感じたが、大筋が完全なコピーというのは流石に工夫が足りない。

身分を偽ったり不法侵入したりと(建設局監査官にもメタラックス研究所員にもなれる警察手帳の力は万能)、警察としてもよりも犯罪者的スキルで捜査するアクセルのハチャメチャぶりも前作のコピーなのだが、ローズウッドとタガートの二人について掘り下げられていたのは面白かった。

暢気でへっぽこだったローズウッドは、アクセルの薫陶を受け、彼の中に眠っていた”ワイルド”が目覚めている。運転が下手くそ故に街を破壊する大立ち回りを演じ、デカい銃を両肩に抱えてグラサン姿でキメる。走るシーンでもタガートを置き去りにしてアクセルについていく。そんな彼の変化が自宅の内装に象徴されており、植物とカメに満たされた元々の穏やかな空間に、『ランボー2』や『コブラ』といったスタローン映画のポスターが貼られている。

そのローズウッド以上に可笑しくてたまらないのがタガートである。本作の彼はアクセルよりも笑わせくれたのではないかとすら思う。アクセルと捜査を始める前に「クビになったら妻子をどうなる」と心配すればローズウッドに「逃げられただろ」とツッコまれ、恒例となったストリップクラブ(LAPD組がサボりに慣れて酒を飲んでいるが、アクセルは逆に7ドルのコーラ)ではジェラルド・フォード元大統領として歓迎される(アメリカ人的には少しくらいは似ていると感じるのか。せいぜい生え際くらいのものだろう)。妻に逃げられて寂しいのか、プレイボーイのチャリティパーティー(駐車係がクリス・ロック)の受付嬢に最後まで見惚れているのも可笑しかった(その後、口臭スプレーをする場面も)。

ほぼ前作の焼き直しに終始したアクセルだったが、長身美女のカーラに対抗して背伸びをする場面は可笑しかった。エディ・マーフィーも175cmと決して“チビ”というわけではないようだが、カーラ役のブリジット・ニールセンは、なんと185cmである。ちなみに彼女は、本作の撮影中はスタローンと婚姻関係にあったのだが、監督のトニー・スコットと浮気していたそうである。それを知るとローズウッドの部屋のポスターが別を意味合いを帯びてくる。

ビバリーヒルズ・コップ2 (字幕版)

ビバリーヒルズ・コップ2 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video