オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ラブバトル』

Mes séances de lutte(Love Battles), 102min

監督:ジャック・ドワイヨン 出演:サラ・フォレスティエ、ジェームズ・ティエレ

★★★

概要

愛の戦い。

短評

なにやら観念的なのか、それとも意味不明なだけなのか、よく分からない会話が延々と続き、女優が景気よく脱ぐ。いかにも“おフランス”な映画である。何か高尚なテーマを表現するために裸が必要なのか、それとも女優に脱ぐ理由を与えるために高尚ぶっているのか(あるいは会話を聞かせるための“釣り餌”か)。さっぱりわけが分からないが、桃色映画はやたらと難解であることが多い。しかし、「今年は桃色能天気な1年に」と宣言したので、わけの分からなさに臆することなく、とりあえず桃色そうな映画をどんどん観ていこうと思う(内容が能天気でなくとも、ちっとも理解できなければ実質的に能天気)。アブノーマルな交合の様子にはただ唖然とさせられるばかりで、興奮する以前の問題だった。

あらすじ

父の死を受けて実家に戻ってきた女エル(サラ・フォレスティエ)。彼女は、かつてヤラせなかった男ルイに会いに行き、二人は激しく罵り合う。その結果、互いを“対戦者”と認め合い、二人は“愛の戦い”を繰り広げることになる。

感想

セザンヌの『愛の争い』という絵画に着想を得た一作とのことである。リンク先の画像を見ればお分かりいただけるように、四組の男女が交わり合っているのだが、右下のカップルが“取っ組み合い”のような体勢をとっている。本作のエルとルイも(劇中では名前を呼ばないので、以下、男と女)、このカップルのように、戦うように交わり合う。と言うよりも、セックスを終着点として謎の格闘技を繰り広げている。

初めは男の愛撫や抱擁を拒否する形で“組み手争い”が始まるため、これは“ヤラせるか否か”の戦いなのかと思った。女が友人から「好きになっちゃうんじない?」なんて言われて否定しているので、“ヤラせるつもりになったら負け”のルールなのかと。しかし、“イカせ合い”のような方向へとルールが変化し、最後は女が「愛してる」と認める。ちょっと、否、全然何をしているのか分からないが、これは女の負けということでよいのか。それすら分からない。

男を父の代わりとして戦っているという発言があったが、本音をぶつけることができなかった父の代わりとしての男ということであれば、それが“性愛”になるのはどういう理屈なのだろう。愛に理屈はないか。

組み手争いやレスリング、(本来の意味での)マウント合戦を繰り広げた末に、女が“注文の多い性交”を提案する。これが水たまりでの“泥んこセックス”となっていて、多分に野性的だった。相手を組み伏せて行為に及ぶというのは、正に野生動物のそれであり、そこにエロさは全くない。屋内で交わる時の“逆肩車クンニ”は笑えたので、日本の桃色業界も導入してみてはいかが?(これもエロくないが、エロより笑いを狙っている作品も多いだろう)

交わるシーンはエロくないのだが、主演のサラ・フォレスティエはチャーミングである。組み手のディフェンスは上手いものの、全体的にガードがユルユルな感じがたまらない。この世界にはブラジャーという概念がないらしく、彼女のツンと固くなった乳首はいつも薄い布を押し出している。ただし、彼女の奔放でエロティックな姿を楽しむならば、『戦争より愛のカンケイ』を観る方がよい。久しぶりに観たいと思ったら、残念ながらプライムビデオから外れていた。

ラブバトル (字幕版)

ラブバトル (字幕版)

  • 発売日: 2016/03/23
  • メディア: Prime Video