オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ツイン・ドラゴン』

雙龍會(Twin Dragons), 103min

監督:ツイ・ハークリンゴ・ラム 出演:ジャッキー・チェンマギー・チャン

★★★

概要

生き別れになった双子が再会する話。

短評

ジャッキー・チェン一人二役を演じたアクション・コメディ。かなりコメディ色の強い一作ではあるが、アクション、ストーリー共に手堅く仕上がっており、純カンフー映画時代の笑いが浮いているような作品になることは回避していた。見せ場となるアクション以外の部分をコメディで無理やり穴埋めするのではなく、コメディに適した状況設定にアクションを合わせたのが奏功したのだろう(もちろんそうすれば何でも上手くいくわけではないことは、ジャッキー本人が他の出演作で証明している)。

あらすじ

双子として生まれながら、片方が人質として連れ去られてしまった兄弟。連れ去られた方は水商売の女に拾われ、ジャッキー(ジャッキー・チェン)と名付けられる。彼がチンピラ修理工へと成長した一方で、難を逃れたマー(ジャッキー・チェン)はニューヨークで音楽の道へと進む。大人になったマーがコンサートのために香港へと戻ってきた時、二人の運命が再び絡み合う。

感想

周囲の人々がジャッキーとマーを勘違いしたり、そのために二人が入れ替わったりするコメディが映画の中心である。とてもベタではあるものの、きっちり笑える水準には達していた。ジャッキーの方が黒社会とのトラブルに巻き込まれ、そちらの話でアクションの要素を盛り込む構成になっている。

二人は時に動きが“シンクロ”するようになっており、この設定がアクションとコメディの両方に活用されている。マーがピアノを弾けばジャッキーが客の女の尻を奏で、ジャッキーが船で逃走していればマーが喫茶店で暴れ回る。双子による“合体技”みたいなアクションが見られなかったのは残念だが(特撮技術の問題第だろう)、弱いマーを強いジャッキーがシンクロにより“操縦”する場面があって、アクションにも双子設定がちゃんと使われていた。

互いのことを知らずに育った瓜二つの双子が対面するとどうなるのか。意外にもリアクションが薄い。初対面は、ホテルのエントランスで肩がぶつかった時。ジャッキーが「あれ、鏡?」と戸惑いはするものの、マーの方は特に気にする様子を見せない。二度目の対面は、トイレで隣り合った時。ここで互いの存在を認識するのだが、焦ってイチモツを露わにしたまま向き合うくらいで(互いに下を向いて確認した“それ”も同じだったのか)、むしろそれまでの出来事に納得しているかのようだった。もっと驚くかと思ったのに。

マーはジャッキーのボス・ターザンが惚れているクラブ歌手バーバラ(マギー・チャン)に惹かれ、ジャッキーはマーの婚約者候補サリー(ニナ・リー)の勘違いを利用して一戦交える。最後はジャッキーが「二人から自由に選べ」と言い残して結婚式場から逃走し、捕まったところで終劇となる。「選べ」と言われても困ってしまうだろうし(そもそもどちらがどちらと結婚するつもりだったのか)、女性の側に選択権はないのかと思ったが、女性の方もどちらがどちらでもよさそうだった。

ジェット・リーの妻ニナ・リーが演じるサリー。父が政略結婚を目論んで金持ちのマーの元に送り込まれるため、露出度の高いお色気キャラである。マーの“スペシャル・マッサージ”で気持ちよさそうな声を上げ、双子とお風呂に入るシーンも。バーバラも綺麗だったが、三十郎氏はサリーに軍配を上げたい。

最終決戦の舞台が自動車の性能試験場である。『WHO AM I?』等の他作品と同様に三菱のロゴがデカデカと映っている。ターザンに「車の中にいるのが一番安全だ」と言わせ、シートベルト着用の生むが生死を分けるとなれば完全に宣伝っぽいのだが、これも上手く笑いに繋げられていた。

ツイン・ドラゴン [DVD]

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  • 発売日: 2002/03/22
  • メディア: DVD