オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』

Shaun of the Dead, 99min

監督:エドガー・ライト 出演:サイモン・ペッグニック・フロスト

★★★★

概要

ダメ男vsゾンビ。

短評

ゾンビ映画としても、ホラーコメディとしても、三十郎氏の最もお気に入りの一作である。昨今の流行とも言えるゾンビとコメディの組み合わせを定番化した作品ではなかろうか。AmazonのWinter Sale(~1/11)で500円になっていたので購入しておいた。ストーリーが特別に素晴らしいというわけでもなく、ゾンビのグロ表現が秀逸というわけでもないが、とにかく楽しい。同ジャンルの映画には『ゾンビランド』があり、同作もとっても好きなのだが、サイモン・ペッグニック・フロストの名コンビ、そしてエドガー・ライトの才能を知らしめたという点で、本作は特別な作品である。

あらすじ

デートの場所はいつもパブ、おまけに親友エドニック・フロスト)を連れてくる。29才の家電販売員ショーン(サイモン・ペッグ)は、遂に恋人リズから愛想を尽かされる。傷心の彼がいつものパブで、いつものエドと飲み明かした翌朝、いつもの商店で朝食のコーラとアイスを買って帰ると、庭に女のゾンビがいた。既に侵入を許した自宅に留まる選択肢はなく、母親とリズを救出し、いつもの“ウィンチェスター・パブ”で籠城する計画を決行する。

感想

(生え際はかなり後退しているが)現在よりも幾分若いサイモン・ペッグ。デブで怠惰でどうしようもないダメ男のニック・フロスト。すっかり二人のファンとなった今では、彼らが画面に揃っているだけで面白いのだが、それを差し引いてもやはり楽しい。エドが「ごめん」と先に謝ってから屁をこき、酔っ払ったショーンがゾンビに気付かず日常生活を送る。超絶マイペースなエドとは別の意味でマイペースなショーンの母は、何とも言えず“おかん”である。女ゾンビの腹に穴が空き、デービッドが腸を引きずり出されとグロい演出も多く、ゾンビ化した母との別離という悲しい場面もありはするが、ひたすらユルい笑いに満ちている。“眺めていられる映画”である。

最初から最後までずっと楽しい一作ではあるが、特にお気に入りの場面が三つ。一つ目は、庭に出現したゾンビへの“レコード攻撃”。「これはダメ」「これはOK」と選別する様子が可笑しい。

二つ目は、パブでゾンビを迎え撃つ際の『Don't Stop Me Now』。クイーンの曲の中でも三十郎氏が同曲を最も気に入っている理由は、恐らく本作にあるのだろう(POVアクション映画の『ハードコア』でも印象的に使用されている)。ビリヤードのキューを持って戦う三人だけでなく、何もしていない二人まで音楽に乗せて身体を揺らしているのが最高である。今にして思えば、エドガー・ライトが後の『ベイビー・ドライバー』へと繋がる音楽センスを示していたことになる。

そして三つ目は、ゾンビ化したエドが納屋で暮らしているラストシーン。ゾンビになる前と大差ない。

今更気が付いたのだが、クリス・マーティンカメオ出演していた。彼はテレビのインタビューに映っている以外にゾンビ役でも出演しているのだが、こちらは該当シーンを事前に調べなければ絶対に分からないと思う。ビル・ナイのゾンビ演技も楽しいし、マーティン・フリーマンもちょい役で出演している。豪華である。

ダイアンの投げたダーツがショーンの頭に見事命中していたが、脳にダメージはないのだろうか。針の長さ的に脳に到達しないのか。

サイモン・ペッグニック・フロストの名コンビを世界に知らしめたのはてっきり本作なのかと思っていたが、『スペースド(SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜)』というTVドラマで一足先に共演を果たしているらしい。この完璧な掛け合いは流石に初共演では生まれないか。その上、監督はエドガー・ライトである。めちゃくちゃ気になる。残念ながら配信はされていないようだし、近所のレンタル店でも取り扱いがなかったが、なんとかして観てみたいものである。

本作は、『スリー・フレーバー・コルネット3部作』の第一作なのだとか。続く『ホット・ファズ』『ワールド・エンド』と併せてそんな名称があるとは知らなかった。ブログを始めて、感想を書く際に一応Wikipediaくらいは参照するようになったおかげで知ったのだが、知っていたところで何にもならない。

コロナの影響で公開延期となっているエドガー・ライトの新作『Last Night In Soho』はアニャ・テイラー=ジョイ主演のホラー映画とのことである。すっかりハリウッドで成功してしまったライト監督だが、もうイギリスでコメディは撮らないのかな。

ショーン・オブ・ザ・デッド (字幕版)

ショーン・オブ・ザ・デッド (字幕版)

  • 発売日: 2020/11/18
  • メディア: Prime Video