オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『クエスチョン』

Punic Button, 95min

監督:クリス・クロウ 出演:スカーレット・アリス・ジョンソン、ジャック・ゴードン

★★

概要

豪華賞品付き機内で秘密暴露ゲーム。

短評

イギリス製のソリッド・シチュエーション・スリラー。「ネットの投稿・閲覧履歴で何でもバレちゃうよ」という警鐘の部分は悪くないと思うのだが、結局スリルを生み出しているのはネットは無関係な部分であり、本編のはずのゲーム大会が「それ、やる必要あったの?」という不毛な状態に陥ってしまっている。「真の目的はこれで、参加者にはこんな繋がりが!」とオチをつけて話をまとめているが、やはりゲーム大会は関係ない。

あらすじ

人気SNSを運営するオールトゥギャザー社主催のニューヨーク旅行に当選したジョー(スカーレット・アリス・ジョンソン)、マックス、デイヴ、グウェン(エレン・リース)の四人。豪華なプライベートジェットに乗り込み、ロンドンを飛び立ったところで、豪華賞品を懸けたゲーム大会が幕を開ける。免責事項を読まずにサインした四人だったが、最初のクイズから彼らのプライバシーが暴露され、ゲームは更に危険な内容へと変化していく。

感想

序盤の秘密の暴露の部分は悪くない。マイクが睾丸にピアスをつけたこと、ジョーがアル中なこと、マックスがネットストーカーなこと、そして、グウェンが処女なこと。彼らが質問に見栄を張ってウソを答えると、「はい、間違い」と事実が暴露される。特にグウェンが処女なことについては、「私、変態って診断されちゃった~」という投稿とは裏腹に“純潔の会”なるサイトの閲覧者であることをバラされ(これはむしろ好感度が上がると思うが)、インターネット上の行動の“隠せない”という性格が示されている。これだけでも十分にスリラーが成立する設定だっただろう。

しかし、この手の映画には「内容を過激化させなくてはならない」という謎の使命感でもあるのか、四人それぞれに秘密のお題を出し、彼らを殺し合わせるようになる。この時、脅迫のために四人の家族が拉致されており、既に“ネットの恐怖”という主題は失われている。また、四人が互いに疑心暗鬼に陥るはずの状況も、まるで上手く活かされていなかった。

実は旅行の主催者はオールトゥギャザー社ではなく、SNSで自殺配信したルーシー(ミリー・ミッドウィンター・リーン)の父が仕組んだものだった。当選者は自殺配信を見て煽りコメントをした人たちで、飛行機の行き先はニューヨークでなくオスロのオールトゥギャザー本社である。上手く話をまとめたつもりなのかもしれないが、これでは暴露大会の部分が何の意味も持っていないし、折角自殺配信したのにたったの四人からしか煽りコメントを貰えない注目度の方が悲しい。

話が“秘密のお題”に入る頃には整合性も何もあったものではないのだが、処女のグウェンにマックスを誘惑するように命じる場面だけは面白い。「ここで死ぬのなら……」とキスしはじめたかと思いきや、男の誘惑方法を知らぬ彼女は正直に「助けて。妹が殺されちゃうの」と告白する。これはマックスにとって非常に美味しい状況である。相手を助けるというお題目を得て、なんの後ろめたさもなく美女と交われる。ところが、彼は「貨物室にPCがあるかも!」と言い出し、グウェンの誘惑を退ける。あの状況でジョニーに身を任せないなんて男ではない。

睾丸ピアスの他に、“馬とセックスする少女”の動画を見ていたとバラされるデイヴ。なお、これは日本のサイトとのことである。おい!獣姦趣味を日本に押し付けるなよ、イギリス人!獣姦よりもロリ趣味の方が糾弾されていたため、日本に対してそっちのイメージがあるのだろうが、獣姦についての批判が出てこない時点で、彼らも他国のことをどうこう言う権利がない程度には変態だと思う。

飛行機を実際に飛ばしながら撮影しているはずはないのだが、「ゴォー」という機内音を流しておくだけでそれっぽくなる。

クエスチョン(字幕版)

クエスチョン(字幕版)

  • 発売日: 2018/04/11
  • メディア: Prime Video