オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『デッド or キル』

Would You Rather, 93min

監督:デヴィッド・ガイ・レヴィ 出演:ブリタニー・スノウ、ジェフリー・コムズ

★★★

概要

賞金目指してお題に挑戦する話。

短評

ザ・スリル』のようなお題挑戦系デスゲーム映画(本作の方が先に制作されているが、同作の方が遥かに面白い)。利己と利他を選択する最初のゲームこそ悪くなかったものの、その後は主催者が思いつきでゲームを進めているだけであり、挑戦者から何を引き出したいのかがまるで見えてこない一作だった。はっきり言ってつまらなかったものの、「最近、ダメそうなB級スリラーを観てないなあ……」と思っての選択であり、この適度なダメさ加減こそが目的だったような気もする。

あらすじ

病気の弟の面倒を見るため、大学を中退して故郷へと戻ってきたアイリス(ブリタニー・スノウ)。各種の支払いに来あっていた彼女に対して、弟の主治医がランブリック財団を主催するシェパードを紹介する。シェパード曰く、「財団は困っている人を助けるために賞金を懸けた晩餐会を開催するので、是非とも参加してほしい」。初めはベジタリアンに肉を食べさせたり、禁酒中のアル中患者に酒を飲ませるだけだったが、徐々に危険な二択のゲームへと変化していく。

感想

酒を飲まされた元アル中のコンウェイが賞金5万ドルを持って帰ろうとしたら、執事のベバンズが彼を射殺してゲームスタートである。いきなり飛ばしすぎだろう。肉と酒の話で「これならいけるかも……」のステップを済ませたつもりなのかもしれないが、これではゲームの内容よりも棄権できない状況の方が勝ってしまう。段階を踏め、段階を。ゲームというものは、最初の方だけは楽しくないとダメなのだ。

それはともかく、第一のゲーム。元MI-5のベバンズが頭に電流ビリビリの拷問道具を取り出し、自分と隣の人のどちらに流すのかを選ばせる。これは良かった。登場人物の性格を把握できるし、その様子を眺めるのはいかにも“悪趣味な遊び”である。こうした人間の本性を暴いてこその愉悦というものだろう。

しかし、その後はルールが一定しなくなり、ゲームとは呼びづらい内容へと変化する。第二のゲームは、イラク帰りのトラビス(こんな映画が『タクシードライバー』を引用するな!)をムチ打つか、隣の人の太ももをアイスピックで刺すというもの。トラビスが「俺が鞭打たれてやるぜ!」と折角男気を見せても、次の人もムチ打ちの対象がトラビス固定である。不公平だろ!性格の悪そうなエイミー(サーシャ・グレイ)だけは「誰の何処を刺してもいい?」と言い出して全面的な裁量を与えられるし、もはやゲームとしての体を成していない。

第三のゲームは、封筒の中身に挑戦するか、水責めで息を止めるか。最初の挑戦者は封筒で手を吹っ飛ばされ、次の挑戦者は眼球を切らされる。こんなの、残りの人は水責めにするしかない。バランスを考えろ、バランスを。ちゃんとゲームらしくしろ。封筒の内容もシェパードが「これは盛り上がるだろうなあ(ニチャア」と考えたに違いないが、直接的な描写がないため、観客は彼と同じようには楽しめない。悪趣味な話の割には映像が中途半端である。

“衝撃の結末”についてもただ悪趣味にしたかっただけであり、最初から最後まで実に“B級スリラー”だった。

ところで、邦題の『デッド or キル』。形容詞と動詞を併記してもよいものなのか。

デッド or キル(字幕版)

デッド or キル(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video