オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『シャークトパス VS 狼鯨』

Sharktopus vs. Whalewolf, 87min

監督:ケヴィン・オニール 出演:キャスパー・ヴァン・ディーン 、キャサリン・オクセンバーグ

★★

概要

タコ足のサメとヒレ付きの犬が戦う話。

短評

サメとタコが悪魔合体を果たしたシャークトパス・シリーズ第3作。「バカバカしい」の一言で片付けられるアイディアとコメディ路線の相性が良く、アイディアに負けないだけの“くだらなさ”が楽しい一作なのだが、所詮はバカ映画である。三十郎氏は本作が嫌いではないものの、それはあくまで「珍作として」の留保付き。「笑わせればそれで十分だろ」という雑さが目立っている感は否めない。シリーズの他作品と同様に質感のイマイチなCGの怪物がよく動いており、“酷い映画の割には妙に力が入っている”という、怪物同様にキメラ的違和感のあるシリーズの特徴を象徴している。

あらすじ

ドミニカ共和国シャークトパスが出現する。酔っぱらい船長のレイはブードゥー教の神官タイニーからシャークトパスの心臓を要求され、街を救おうとする地元警察官のニータ(アカリ・エンドー日系人だったのか。気付かなかった)と共に海に出る。その一方で、シャークトパスを開発した研究所出身のラインハルト博士が落ち目の野球選手ローサに遺伝子改造を施し、ホエールウルフが誕生する。

感想

今回の対戦相手・狼鯨(ホエールウルフ)は、クジラではなくシャチの遺伝子を使用している。正確にはシャチ犬なのだが、英語でもWhalewolfだし、狼鯨でよいのだろう。もっとも、その違いに特に意味はなく、クジラ的な肌と尾ビレを持つ犬が泳ぐというだけである。クジラ要素はほとんど外見だけである。泳ぐと言っても陸上でのシーンがほとんどを占めており、対するシャークトパスの方だってサメ要素が外見だけになっていると言えなくもない。

ラインハルト博士が狼鯨を“ペット”として躾けようとするシーンは面白かった。狼と名がついてはいるが、仕草も性格も犬である。餌に喜び、おしっこシートでの小便を覚えさせられ(量が多過ぎて無駄だったが)、動物愛護センターに“処分”を依頼されてしまう。最終的には暴走の果てに始末されてしまう狼鯨だが、もし博士が愛を持って接していたならば、動物園での展示に耐えられるくらいの生き物にはなれたのではないか。

そして、両雄が運命に導かれて出会う(つまり、理由はない)。ブードゥー教の儀式(一連の“インチキ感”が本作の中で最も楽しい。特にミキサーを使う現代的なところ)によってシャークトパスを操作し、両者を相討ちにさせる対決路線の定番の流れになるかと思われたものの、もう少し凝った展開が用意されていた。街で暴れる両者を野球場に導き、“空爆”で処理するというのである。一介の警察官のくせに空爆を要請できるニータとは一体何者なのか!ただし、シャークトパスは電流ネットに引っ掛かってあっさりと死ぬし、狼鯨が空爆を受けるシーンもショボいしで、実にB級映画らしい、息切れしたかのようなクライマックスだった。

本シリーズのCGは“パッと見てそれと分かる”ものなのだが、室内のシーンやアップのショットだと意外にも悪くないということに気付いた。つまり、“太陽光を受けた時の陰影を周囲と調和させる”という作業こそが、CG制作における難所ということになるのか。他には接地面の表現が難しそう。

後ろ姿で女性と勘違いされるナースの役でイギー・ポップカメオ出演している。ロジャー・コーマンの人脈なのか。ラインハルト博士の助手でブラジャー丸見えな破廉恥ナースのベティ(ジェニファー・ウェンガー)が年齢を隠しきれない色気を振りまき、『エル・ソルテロ』というテレビ番組の収録では水着女性たちが一人の男に選ばれるという『バチェラー』のようなことをしていたりと、“そっち方面”のサービスには事欠かなかった。

シャークトパス VS 狼鯨

シャークトパス VS 狼鯨

  • 発売日: 2016/04/27
  • メディア: Prime Video