オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『バイオハザードIV アフターライフ』

Resident Evil: Afterlife, 96min

監督:ポール・W・S・アンダーソン 出演:ミラ・ジョヴォヴィッチアリ・ラーター

★★

概要

アリス、アルカディアを目指す。

短評

2009年にミラ・ジョヴォヴィッチと結婚したポール・W・S・アンダーソンが監督に復帰した2010年のシリーズ4作目。アリスもアンブレラ社も、そして制作者も何がしたいのかよく分からなくなってきた(アンブレラ社は元からだが……)。シリーズを続けることが自己目的化してしまっているような気がする。1作目に比べるとCGのクオリティは大幅に向上しているが、スローモーションの使い過ぎにはウンザリするし、2010年にもなって恥も外聞もなく『マトリックス』のアクションをパクりまくるのは流石に恥ずかしい。プライドはないのか。

あらすじ

世界中に蔓延したT-ウィルスから逃げて東京の地下要塞に潜ったアンブレラ社。クローンを引き連れたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が要塞を襲撃するが、彼女はウェスカー議長に血清を射たれて特殊能力を失ってしまう。それから半年後、アラスカにあるとされる非感染区域“アルカディア”を目指すアリス。辿り着いた先には何もなかったが、錯乱して記憶を失ったクレア(アリ・ラーター)と再開する。彼女は他の生存者を探してロサンゼルスへと飛ぶ。

感想

制作陣も「テレキネシスは流石にまずい」と気付いたのだろう。冒頭の要塞戦で使用した時にも「これは万能すぎる。なんでもできてしまう」と感じた(逆に使わない場面で「使えよ」と思ってしまうのもよくない)。しかもクローンまで使えてしまうというのはいかがなものか。無理矢理感はあったものの、軌道修正は不可避だったのだろう。もう一つおまけに、要塞を自爆させることでクローン・アリスたちを葬ってしまい、話を作るのに面倒になりそうな要素を“なかったこと”にしていた。それなら最初からやるなよ……と思うが、これがシリーズ化作品というものである。

アリスは「アンブレラ社=悪」という前提で行動しているように思うが、果たして彼女は先のことを考えているのだろうか。とりあえず目の前の敵を倒してばかりである。地下に潜ったアンブレラ社が何を研究していたのかは不明だが、化学者が死に、研究施設が消え去れば、ゾンビ問題の解決は遠のくばかりなのではないだろうか。悪の黒幕みたいなアンブレラ社もきっと困っているに違いない。自分が撒いた種とは言え、文明が滅びてしまえば企業活動も何もないだろう。抗体を持つアリスは協力してくれず、現場の責任者は必ず凶悪なゾンビに変身してしまう。これは頭を抱えたくもなる。

東京本部の警備員の制服に「アンブレラ社」とゴシック体で書いてあるのが面白かった。ウェスカーは室内でもサングラスを外さないという“安っぽい悪役”なのだが(サングラスを投げる攻撃には笑った)、彼の喋る英語が実に聞き取りやすくて、無名の外国人を起用している“安っぽい邦画”みたいになっている。しかし、彼が日本人の部下たちが聞き取りやすいように話してくれているのだと考えると、途端にいい奴に思えてくる。もっとも、自分が逃げ出した後は要塞を爆破してしまうクソ野郎なのだが。

研究所で培養されたゾンビたち以外に、“一般ゾンビ”たちもフェイスハガーみたいに進化していた。こうした映像技術の進歩により表現の幅が広がるのは良いが、CGに頼りっきりになってしまってはゾンビ映画らしい生々しさを感じられない。また、アクションの方もワイヤーやCGが全開となっているのだが、冒頭の突入シーンやウェスカーの高速移動、そしてアリスのビル屋上からの飛び降りに至るまで、全てがビックリするほど『マトリックス』だった。ケーブルに捕まって飛び降りたアリスが屋上を派手に爆破していたが、ケーブルも切れるだろ。

特殊能力を失った割には無敵の女戦士であり続けるアリスなのだが、派手な動き以外はあまり画になっていない。足を肩幅に開き、腕を真正面に伸ばして撃つというスタイルが、なんだか射撃学校の基礎動作のようで格好悪い(基礎動作で二丁スタイルはないだろうが)。まるで動かない的を狙っているかのようである。

EDロール途中のおまけ映像にジル(シエンナ・ギロリー)が登場する。2作目のショートカットではなくなっていたが、大きく開いた胸元がセクシーだった。

バイオハザードⅣ アフターライフ (字幕版)

バイオハザードⅣ アフターライフ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video