オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アベンジャーズ・オブ・ジャスティス フォース・ウォーズ』

Avengers of Justice: Farce Wars, 87min

監督:ジャレット・ターノル 出演:スティーブン・ラナジージ、エイミー・スマート

概要

DC+マーベル+スター・ウォーズ+他。

短評

色々とゴチャ混ぜのパロディ映画。ある意味では期待通りの内容だったのだが、あらゆる意味において酷い出来であり、どうしようもなくつまらなかった。残念ながらパッケージ以外は見たことがないのだが、きっとパロディAVと同じくらいのクオリティかと思う(衣装はAVの方が上出来かもしれない)。ストーリーも何もあったものではなく、濡れ場が始まらないのが不思議なくらいの一作だった。どうしてこの映画を観ようなんて思ってしまったのだろう。精神科に相談したら何か病名をもらえるだろうか。

あらすじ

はるか昔でなく、つい最近、近所の銀河で…。ヒーローと悪党の戦いが続き、地球の街も経済も破壊された。最強のスーパーバットは、貯金も邸宅もパワーまで失い、郊外で妻ジーン・ワンダーと、双子と暮らしている。下品皇帝パープル男は太陽熱を横取りするために、ダーク・ジョークスターに地球を冷凍するよう命じた。

本編冒頭より引用

感想

スーパーバット──スーパーマンバットマンを合体させたブルース・ケントが主人公である。彼の妻ジーン・ワンダーは、ジーン・グレイとワンダーウーマンの合体版か。双子の子供たちはスター・ウォーズから。娘レイヤ(ローズ・レーン・サンフィリッポ)は特殊能力持ちで、ハーレクインのようなバットをライトセーバーのように光らせて戦う。息子ルーカスには特殊能力がなく、ポンコツロボットのCREPOを作ってエアコンの室外機を破壊している。

敵陣営は、パープル男(ダース・シディアス)をトップに、ダーク・ジョークスター(ジョーカー)とリスプ・ルーサー(レックス・ルーサー)の三人。あまり捻りのない“そのまま”なキャラクターだが、ジョーカーは比較的それっぽかったか。

スーパーバットの仲間は、キャプテン・サウス・アメリカ(「このプロレスラーは誰?」と思っていたが、ソンブレロ風の盾を投げるシーンでようやく理解できた)、ソーバッカ(ソー+チューバッカ。毛皮を着たソー)、スパイダー・キャット(クモ要素なし。ジョーダン・サーモン)、ビーヴァリン(ビーバーはどこから出てきたのか)、ランド・フューリー(ランド要素なし)である。トニー・スターチの胸にビールを掛けたら爆死する展開だけは好きだった。

肌の緑色塗装がまだらなマスター・ヨーガが、力を失ってメタボなブルースを鍛え、いざ両陣営の対決へ──という話なのだが、これらの複数作品ミックスの設定がストーリーに寄与することはなく、“とりあえずコスプレしてみただけ”感が凄かった。出オチですらない。パッケージオチである。有名キャラクターをパロったと言っても、オリジナルを逆手に取るような演出ができていない。

本稿にはほぼ全ての登場人物の設定が書いてあるが、これを読んで「くっだらねー」と思う以上の感想は、よほどの物好きか感性の狂った人でもない限り、本編を観ても得られないと思う。これでは“感想”にならないが、「これはあのキャラだね」という以外に何も頭に浮かんでこなかったのだから仕方がない。観た映画は全て感想を書くことにしているものの、こういう時は少し辛い。ツッコんで楽しむタイプのクソ映画なのかもしれないが、「おー、やってるやってる」とコスプレ集団を遠目から眺める感覚に陥ってしまい、その気力すら湧いてこなかった。

レイヤがトニー・スターチに憧れていたり、ブルースとビーヴァリンがジーンを巡って争ったという過去があったりするので、スムーズにアダルト展開に持っていくこともできたと思う。きっと脚本家もAVを参考にして話を作ったに違いない。

ジーン・ワンダーを演じているのがエイミー・スマートである。似ていると思ったら本人だった。トップスターとまでは言えないが、かつてはそこそこ人気のある女優だったろうに。こんな映画に出るまでに落ちぶれてしまったのか……。世の無常を感じる。もっとも、少々“ずんぐり”とした体型になってしまっており、この映画に馴染んでしまっていたことは否定できない。素晴らしいプロ意識と役作り!きっとそうだ……。そういうことにしておこう。