オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『トゥルース・シーカーズ ~俺たち、パラノーマル解決隊~』

Truth Seekers

監督:ジム・フィールド・スミス 出演:ニック・フロスト、サムソン・カヨ

概要

サービス技師のYoutuberが超常現象を調査する話。

短評

Amazon Originalのドラマシリーズ。1話30分弱の全8話構成なのでサクッと観られる。ニック・フロスト主演のホラーコメディということで、もっとコメディが前面に出ているのかと思ったが、意外にもホラーというか超常現象に関する陰謀譚の方が中心となっていた(邦題の「俺たち~」はバカバカしいだけの内容を想起させるので余計だと思う)。とは言え、大笑いするタイプではないものの、「フフッ」と笑える描写には事欠かないため、「ニック・フロストにこんなの期待してないのに……」となるわけではなかった。

あらすじ

6Gの英国内カバー率100%を誇る通信会社スマイルのサービス技師として働く傍ら、『トゥルース・シーカーズ』という超常現象系Youtubeチャンネルへの投稿を続けているガス(ニック・フロスト)。何年も超常現象を追い続けてきた割に大した収穫のなかったガスだが、新人のエルトン・ジョンと組んだ途端に本物の超常現象に遭遇するようになる。彼らに助けを求めてきたアストリッド(エマ・ディダンド・アーシー)やエルトンの姉ヘレンも仲間に加わり、ガスは一連の超常現象の裏に潜むトインビー博士の陰謀と対峙することになる。

感想

EP1~3まではキャラクター紹介も兼ねて個別の事件を解決していく。「一話完結型の話なのかな?」と思った辺りで話に繋がりが見えてきて、トインビー博士の陰謀へ、という流れである。基本的にはユルいノリなのだが、ホラーの部分はちゃんとホラーしていて、危険な陰謀が悪い意味で浮かない。しかし、やっぱりノリはユルいので、どこかアンバランスな感じがシュールである。この陰謀が阻止される形で終わるのだが、続きが気になる結末だった。

ニック・フロストの相棒と言えばサイモン・ペッグだが、本作では相棒ではなく“ズラの上司”デイヴを演じている。最終話で彼がガスに対して「ジョジョ74(ケリー・マクドナルド)と俺のどっちが信用できる!」と迫り、ガスがデイヴを選ぶという名コンビのファンにとっては胸熱な場面がある。ところが、デイヴとジョジョ74は裏で繋がっていて、しかもトインビー博士とも繋がっていたのである。

デイヴの指示は“トインビーを止める”方向に働くもので、逆にジョジョ74の指示は“トインビーを止めさせない”方向に働くもの。デイヴは仲間だったのかと思いきや、この二人で「トインビー博士じゃダメだったねえ」と反省会をしている。一体どういうことなのか。アストリッドがどうなってしまうのかも気になるし、完全に消化不良だったエルトンの能力についても追加の説明がほしい。1シーズンだけで打ち切りになってしまったら寂しいので、ここで微力ながらも宣伝している次第である。

エビ味のポテチの味が気になったり、霊媒師ジェイニー(モルガーナ・ロビンソン)の巨乳が気になったりと(料金は谷間に挟む)、ユルい笑いが随所に見られる。その中でもMVP級の活躍だったのは、ガスと同居している義父リチャード(マルコム・マクダウェル)だっただろうか。ホラーらしく幽霊みたいに登場したかと思えばガスのビスケットを盗み食いしようと隠密行動して階段の昇降機に乗っているだけだったり、ヘレンにビデオメッセージを送ろうとしてYoutubeにうさぎフィルターの動画が投稿されてしまったり(ガスの不人気チャンネルがぷちバズする)、目に針を刺されるシーンまであるサービスぶりだった。

本作に登場する幽霊(?)には走査線が入っていて、“デジタルな”ノイズ感がある。陰謀に通信会社が絡んでいることと関係あるのだろうか。5Gを飛び越えて6Gなのは、本物の陰謀論者が“発症”しないように配慮したのか。