オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『催淫吸血鬼』

Le Frisson des Vampires(The Shiver of the Vampires/The Thrill of the Vampires), 95min

監督:ジャン・ローラン 出演:サンドラ・ジュリアン、ジャン=マリー・デュラン

★★

概要

従兄弟を訪ねたら吸血鬼になってた話。

短評

フランス製のエロティック・ホラー。と言っても、邦題から期待するほどエロいわけでもないし、全く怖くもない。エレキギターサイケデリックサウンドがやたらとムーディーで格好いいのかと思いきや、女吸血鬼に“乳首ニードル”がついていたりして、豪快にふざけている場面も見られる。オシャレだったり、桃色だったり、阿呆だったりと、なんだか不思議な一作だった。なお、ストーリーは酷いものだが(特にハチャメチャなラストが)、日本でも映画に出演しているらしい主演サンドラ・ジュリアンのパフィー気味なおっぱいは見事だった。

あらすじ

新婚旅行で妻の従兄弟が住む城を訪ねてきたアントワーヌとイーズ(サンドラ・ジュリアン)の夫婦。地元民イザベル(ニコール・ナンセル)から二人が死んだことを聞かされ、別れを告げるために城を訪問したところ、残っていた二人の召使い(マリー=ピエール・カステル、Kuelan Herce)が歓迎してくれる。しかし、召使いは二人が生きていると話すのだった。

感想

城には三人の吸血鬼がいる。イーズの従兄弟の二人と、女ヴァンパイアのイゾルド(ドミニク)である。かつて従兄弟は高名な吸血鬼ハンターだったが、イゾルドとの戦いに敗れて吸血鬼化されてしまったのだとか。このイゾルドこそが乳首ニードルの持ち主なのだが(イザベルの乳首を刺して殺すのに使う)、それ以外にも彼女に関する描写は笑えるものが多い。本作の第一の見所は間違いなくサンドラ・ジュリアンのおっぱいだが、イゾルドのシュールな笑いが次点だろう。

ゾルドの三つの登場シーン。彼女は、大きな振り子時計の中から出てきたり、(煙の中から登場した後に)カーテンに潜んで雷の音と共に出てきたり、煙突をつたって暖炉に降りてきたりする。ふざけているとしか思えない演出なのだが、イゾルドが表情を変えることはなく、周囲の誰もツッコまない。他にも、イーズが彼女のなすがままに体を弄られていたり(これはヴァンパイアの力が為せる業か)、日中は屋外の棺の中で寝ていて「死んじゃうから開けないで」と頼むシーンが笑えた。なお、この棺がないと本当に死んでしまうらしく、彼女は“棺を焼かれる”という裏切りに遭っている。日陰とかじゃダメなのね。

サスペリア』を思わせるようなプログレッシブ・ロックサウンドが印象的である。同作の流行に乗っかったのかと思いきや、本作は1971年の作品であり、同作よりも先に制作されている。ホラーにプログレを合わせた元祖はどの作品なのだろう。フォークのような爽やかなBGMが流れるシーンもあるのだが、ここではメイドが全裸で屋外で佇んでおり、割とふざけている。股間をレンガで隠す描写があるのも笑えた。

赤い照明やドクロといったわざとらしい演出が多かったものの、城の退廃的な雰囲気は良かった。金魚鉢の中に頭蓋骨が沈められており、ガラスに反射した炎が目の部分で燃えている演出が特に良い。

サンドラ・ジュリアンの催淫吸血鬼 [DVD]

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  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: DVD