オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『未来警察』

Runaway, 100min

監督:マイケル・クライトン 出演:トム・セレック、シンシア・ローズ

★★

概要

ロボット専門部署の刑事。

短評

マイケル・クライトン監督のSFアクション映画。小説家としてのイメージが強いが、監督業も熱心に行っているようである。“テクノロジーが牙を剥く”という氏の作品に共通する設定は本作にも健在なのだが、敵がテクノロジーそのものではなく単なる悪人なので、テーマの広がりや掘り下げを感じられなかった。一方で、“予言的”な描写には驚かされるところもあり、1984年の作品だと思えないようなメカも登場している。

あらすじ

ロボット班に勤務するラムジー巡査。普段は故障したロボットの捕獲のような仕事をしているが、ある日、家事用ロボットによる殺人事件が発生する。捕まえたロボットを調べてみたところ、回路に取り付けられた特殊チップが暴走の原因だと判明。相棒のカレンと共に捜査を進めるラムジーに、最新テクノロジーを使った武器が襲いかかる。

感想

特殊チップで改造された家事用ロボットが人々を襲いはじめる話ではなく、特殊チップを開発企業から盗み出して利用しようとしている男との戦いを描く話である。素直にロボットと戦う話にしても面白かったと思うのだが、類似の設定が既にあったのだろうか。それとも、対ロボットの描写が非常にチープなため、“ロボットの暴走”というモチーフを描くには予算と技術が足りなかったのか。ドン・フライみたいなラムジー巡査が巡視ロボットと戦うシーンは、限りなくギャグだった。

暴走した家事用ロボットを取り押さえるべく突入する際に、フローターと呼ばれるマシンが送り込まれる。これが現代のドローンそのもので驚いた。追尾型の銃や暗殺用の昆虫型ロボットも実用化が近づいているのではなかったか。優れた先見性である。監視カメラが乗っ取られている描写も良かった。これらの発想自体は素晴らしいのだが、昆虫型ロボットは“夏休みの研究”的な趣を感じさせる代物で、どうしてもB級映画の枠から抜け出せない。

敵ルーサー(ジーン・シモンズ。KISSのメンバーがノーメイクで出演)との戦いが牧歌的なスピード感なのは、“古き良き時代”の映画的な微笑ましさがある。一方で、EDロールでラムジーとカレンが延々とチュッチュしているのは、「それ、要る?」と困惑しつつも笑ってしまった。

美人秘書ジャッキー(カースティ・アレン)の衣服に取り付けられた発信機をスキャンするシーン。スキャンするのはロボットだが、服を脱がせるのは人間である。なんでも機械任せにしていてはいけない。人間にも残しておいてもらいたい仕事もある。なお、ブラジャーにも発信機がついていてジャッキーは脱ぐのだが、“見せなかった”。他の女は見せているのに、この扱いの違いは何?

未来警察

未来警察

  • メディア: Prime Video