オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『担え銃』

Shoulder Arms, 37min

監督:チャールズ・チャップリン 出演:チャールズ・チャップリンエドナ・パーヴァイアンス

★★★

概要

チャップリン、戦場に行く。

短評

1918年のサイレント映画。邦題の読みは「になえつつ」である。チャップリンが、動きで、状況で、彼らしい笑いを随所に見せてくれる。また、非常に短い話ではあるものの、戦争を滑稽に描くことでその愚かしさを表現したり、敵兵に成りすますといったアイディアは、後年の代表作『独裁者』へと通ずるところがあった。

あらすじ

ぎこちない訓練を終えて就寝した新兵(チャールズ・チャップリン)。彼は前線へと送り込まれ、大雨で水没しそうな塹壕で過ごしたり、大量の捕虜を確保したり、危険な潜入任務へと挑んだりする。

感想

ギャグの詰め合わせである。隊列・行進の基礎訓練ですら上手くできない動きで笑わせ、リンバーガーなる悪臭チーズで笑わせと、絶え間なくチャップリンらしい滑稽な描写が連続している。

特に好きだったのは、以下の三つ。第一に、水没塹壕ネタ。塹壕内の寝床が大雨で完全に水没してしまうのだが、チャップリンは二段ベッドの下の階なので、どうやっても水中で眠ることになる(上の階には三人寝ている)。そこで、一段ベッドの仲間を邪魔して遊んでみたり、蓄音機のパイプ部分を使って息をしてみたりと、様々な工夫を見せる。同僚の足にカエルが乗っかっていたり、凍える足を温めようとして感覚がないためか仲間の足を間違って擦るネタも好きだった。

第二に、続けて塹壕ネタ。チャップリンが頭の上を飛び交う銃弾を利用し、ワインの瓶を開けたり、タバコに火をつけたりする。厳しい状況を笑いに変えてしまうことに長けた彼ならではの演出だと思う。

第三に、敵陣潜入ネタ。チャップリンが“木”に成りすまして敵陣へと潜入する。完全に悪い意味でのジョークでしかない描写なのだが、モノクロ映画というのが奏功しているのか、意外と違和感がない。特に林の中で木に紛れ込んでいるシーンなんかは動き出すまで気付かなった。きっと『けいおん!!』で唯が演じた“木G”の元ネタは本作である。

最後は夢オチなのだが、辻褄合わせのためではない単なるギャグなので、これはセーフ。

プライムビデオで配信されているのは37分のバージョンなのだが、全長版は45分あるらしい。ストーリーと呼べるほどのストーリーはないので気にならなかったが、どこが削られているのだろう。字幕は機械翻訳だったが、日本語字幕に頼る必要がない簡易なレベルなので問題なかった。

担え銃

担え銃

  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: Prime Video