オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』

R.I.P.D., 95min

監督:ロベルト・シュヴェンケ 出演:ジェフ・ブリッジスライアン・レイノルズ

★★

概要

あの世警察。

短評

メン・イン・ブラック』のパクリ感があるにしても設定は面白そうだし、キャストも魅力的。事実、導入部は駆け足が過ぎる点を除けばそれなりに楽しめたのだが、いかんせん不思議なほどに盛り上がらなかった。話がこぢんまりとまとまり過ぎているのか。それとも、主人公二人のバディが上手く噛み合っていないのか。他にも敵の造形が個性を欠くといった問題があって、色々ともったいない一作だった。

あらすじ

相棒ボビー(ケヴィン・ベーコン)の裏切りにより、捜査中に殺されてしまったボストンの刑事ニック(ライアン・レイノルズ)。しかし、彼は“あの世”で「R.I.P.D.」にスカウトされ、“この世”に舞い戻ってくる。R.I.P.D.の任務は、現世に紛れ込んだ悪霊を連れ戻すというもの。19世紀のカウボーイ風な足首フェチ野郎ロイ(ジェフ・ブリッジス)を相棒に仕事を開始したニックは、裏切りの原因となった金塊に行き当たる。

感想

バディ・ムービーである。したがって、バディの相性こそが命である。ジェフ・ブリッジス演じる19世紀保安官とライアン・レイノルズ演じる現代刑事の組み合わせは面白くなりそうなものだが、残念ながらこれが今ひとつ。二人とも中途半端なのである。

ライアン・レイノルズという俳優自体が相当にアクの強い存在であることは言うまでもないだろう。しかし、本作のニックは「新しい仕事に馴染んでいないこと」と「現世に残した妻ジュリア(ステファニー・ショスタク)が気になること」の二点をもって、なんだか真面目というか、どうも彼らしくない。

代わりに「19世紀」かつ「あの世」の二つの“非常識”を物語に持ち込むロイが笑わせてくれるわけでもない。設定が活きるガンアクションも一度だけ。「頑固な大ベテラン」と「お調子者の新人」という演者のイメージを活かす組み合わせでもなく、設定通りにロイに笑いを託すわけでもない。魅力的なキャストの持ち味が却って足を引っ張ってしまったような気さえする。

R.I.P.D.の捜査官は、生きている人からは外見も声も別人として認識されるようになっている(悪霊はそのままのようだったが)。ロイは巨乳のブロンド美女(マリサ・ミラー)、ニックは中国人のじいさんという組み合わせである。このギャップ──特にブロンド美女がカウボーイ風に振る舞う様子は(ボビーも称賛する通りに)ナイスだった。しかし、「現世での活動がメインだけど豪華な主役の二人を画面に映しておきたい」という理由があるのか、ほとんどのシーンは元の姿での活動になっていた。ここも中途半端に感じられてしまった理由の一つである。このバランスには改善の余地があったと思う。

悪霊はインド料理──特にクミンを苦手にしていて(こういう小ネタは好き。他にはビデオデッキ店のトイレがあの世との通用口になっていたり)、吸い込むと悪霊的な姿を現す。「生きていた頃の特徴を反映する」ということで、情報屋は「口が大きい」という反映が見られたのだが、それ以外は特に特徴のない“普通の怪物”だった。

ストーリーが黒幕の正体から妻に想いが伝わるところまで分かり切っているのは(バディの掛け合いがもっと面白ければ)ギリギリ我慢できるとして、この世界観をもう少し膨らませることはできなかったのだろうか。R.I.P.D.の全容を理解できていない最初の捜査で金塊が出てくるのは唐突過ぎる気がするので、二、三の簡単なミッションを挟んでからでもよかったのではないかと思う。ついでに“あの世”での活動を加えて15分伸ばしても110分。その方が最低限のエピソードだけを駆け足で消化するよりも面白くなったと思うのだが。

R.I.P.D. Volume 1 (2nd edition) (English Edition)

R.I.P.D. Volume 1 (2nd edition) (English Edition)