オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『アンフレンデッド: ダークウェブ』

Unfriended: Dark Web, 92min

監督:スティーヴン・サスコ 出演:コリン・ウッデル、ステファニー・ノゲーラス 

★★★

概要

パソコンを拾っただけなのに。

短評

全てのシーンがPCの画面上で進行する『アンフレンデッド』の続編。この手法は『search/サーチ』で一躍有名となったが、三十郎は同作を鑑賞済みだったため、「斬新」とか「画期的」と称賛されていることには違和感があった(ちなみに、これら三作品の全てをティムール・ベクマンベトフというプロデューサーが手掛けている)。前作が怨霊路線のホラーだったのに対して、本作は「ネット怖い」のリアル路線へと作風を変化させていて飽きさせない(その代わりに「アンフレンデッド」を名乗るべきなのかは微妙に)。「その割には……」と引っ掛かりを覚える箇所があったのだが、最終的にはきれいにまとまっていた。

あらすじ

ネットカフェで拾ってきたPCを利用してセリーナ(レベッカ・リッテンハウス)らの友人たちとスカイプを楽しむマタイアスは、PCの隠しフォルダの中に大量の動画ファイルがあることに気付く。カロン(Charon。発音はシャロンだった)と名乗る元の持ち主がメッセージが送ってきて、PCを返さなければ恋人アマヤ(ステファニー・ノゲーラス)を殺すと脅迫してくるが、時を同じくしてカロン宛のメッセージが届き、彼がダークウェブの危険な集団に所属していることが判明する。

感想

カロンⅣがアマヤの家に行ってマタイアスを脅迫するホラー展開の始まりのシーン。「いやいや、最初からマタイアスの家に行けばいいじゃん」「アマヤの住所が分かるのにマタイアスの住所が分からないなんて意味分からん」と混乱したが、カロンⅣもマタイアスも、そんな事はお構いなしに話を進めていく(マタイアスは気付くべきだったと思う)。マタイアスは「きっとPCからアマヤに電話したからバレたんだ」と言っていたが、これもマタイアスとPCを後回しにする理由にはならない。

「ホラー映画として成立させるためとは言え、展開に無理があるのでは……?」と序盤から引っ掛かってしまったが、その後はちゃんとスリリングな展開に。マタイアスがアマヤを人質にカロンⅣに脅されている一方で、カロンⅣはPCを紛失したことをダークウェブ集団に知られるとヤバいと怯える。その心配の通りにバレてしまい、マタイアスはカロンⅣとダークウェブの双方から監視を受け、彼とスカイプしていた友人たちも“知ってしまった”ことで事件に巻き込まれていく。

ここから先のダークウェブ集団の活躍が八面六臂である。人間なのに前作の怨霊並に万能である。PCをクラックしてリモートで操るだけでなく、“実行部隊”がマタイアスの友人たちを葬っていく。ウェブ上の「秘密結社」みたいな感じだったのに、人数が多過ぎて笑った(最後の投票数はなんと2万超えの人気コンテンツ)。

カロンⅣがPCを盗まれたと分かってからの行動が早過ぎませんかね?」「マタイアス周辺に(デイモンのいるロンドンにまで)メンバーが都合よく配置されすぎてませんかね?」と再び引っ掛かりを覚えるわけだが、「実は最初から仕組まれていたのです」というオチで一応は納得できた。流石のスーパーハカー集団でもネットの外の世界では準備が必要なのである。一応は納得したが、ITの能力よりも暗殺の能力が高過ぎてジャンルをひっくり返してしまった感はあった。

「拾ったPC」となると、そもそもログインできないのではないかと思うが、たとえば「USBメモリー」や「SDカード」を拾ったら、誰だって中身が気になると思う。これをうっかり自分のPCに挿して読み込んでしまうと、それがハッキング被害の始まりだったりするらしい。映画の世界ではキーボードをカタカタして全てをオンライン上で処理しているイメージのあるハッカーだが、案外アナログな手法が重要らしい。「拾っただけなのに……」という脅威は、案外身近なところでリアルに存在しているのかもしれない(そんな落ち度すらなくとも……というガバガバセキュリティの事例が最近あったが)。

英語圏の人はやたらとタイピングが速いなあ……。

アンフレンデッド:ダークウェブ (字幕版)

アンフレンデッド:ダークウェブ (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/02
  • メディア: Prime Video