オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・コレクター 監禁地帯』

The Blackburn Asylum, 84min

監督:ラウロ・チャートランド 出演:サラ・リンド、エミリー・ウラアップ

★★

概要

廃鉱山の怪人。

短評

ロシア映画での失敗に懲りずにザ・コレクター(パッケージの構図が同じ過ぎるだろ……)。これにて懲りようと思う。同作よりも「コレクター」要素はあったが、邦題の「監禁」要素はほぼなかった。全く怖くないという点では同作と同じだが、グロ描写は本作の方が気合が入っていただろうか。なお、「寝取られ」という感じではないものの、本作にも浮気要素がある。

あらすじ

山小屋で休暇を過ごそうとやって来たジェイド(サラ・リンド)、チェルシーエミリー・ウラアップ)、ショーン、ライアン、ルークの大学生(にしては若々しさに欠ける)五人。事故車両、落石、山火事に見舞われ、山小屋に辿り着けぬまま引き返すも、ガス欠に陥る。立ち寄ったガソリンスタンドもガス欠で、五人は昼間に見掛けた車があるのを発見して鉱山に入るのだが……。

感想

鉱山の頂上には、かつて“ブラックバーン病院(原題ネタバレ)”という凶悪犯を収容する精神病院があり、そこの生き残り脱走者(亡霊?物理ダメージで倒せたから生き残りっぽい)であるメアリー(Maja Aro。本業はスタントらしいが、それらしい活躍はなかった)たちが大学生グループ他を襲うという話。精神病院なのか廃鉱山なのか分かりづらい設定だが、精神病院はメアリーが放火して焼け落ちてしまったので、本作の舞台は廃鉱山。ロケーションの魅力としては一枚落ちる。

ガソリンスタンドの双子老婆に「絶対ダメ」と言われた鉱山に行くという盛大な死亡フラグを立てる大学生グループ。それは当然に死んで然るべきである。五人の中にジェイド×ライアン、チェルシー×ルークの二組のカップルがいるのだが、ライアンとチェルシーが浮気している。この二人が鉱山の中で盛りはじめて、残りの三人全員に発見されるという向こう見ずなリビドーを披露するのだが、彼らはきっちり殺されるので安心してほしい。彼らはどうしてバレないと思えるのだろうか。その楽観主義の一片でも分けてもらえれば、三十郎氏も人生をもっと楽しめたかもしれない。

阿呆たちが順当に殺されて、“余り”だったショーンにも福があるものの、これがあまり嬉しくない。主人公ジェイドのキャラクターが大変にウザいのである。彼女は何かにつけて「置いていけない」と無用な正義感を発揮しては仲間を巻き込んで危機に陥っている。挙げ句は「(見知らぬ他人の)赤ちゃんを救うのは流産経験のある私の義務なの」とか言い出して、観客を「またかよ……」と呆れさせる。「入る」→「逃げる」→「入る」を繰り返す。繰り返しになるが、“繰り返す”のである。もはや自ら進んで襲われに行っているようにしか見えない。彼女は「自分でやる」以外の選択肢の存在を知るべきである。世界にはあなた以外の人間もいるのだから。警察の仕事を奪ってはいけない。明らかなおバカキャラチェルシーがピンクなのはもちろんのこと、ジェイドもピンク被りしているのはそういう理由があったりするのか。

凶悪花嫁メアリーのキャラクターは悪くなかった。彼女は双子老婆に習った剥製スキルを活かして、花婿たちを剥製にしている。邦題のタイトル詐欺を防ぐ「コレクター」要素である。火事で火傷を負った自分を複製するかのようにバーナーで獲物の顔を炙ろうとするシーンがあるのだが、特殊メイクの予算と技術不足なのか、物音を聞いて「様子を見に行く」と中断していたのが残念だった。なお、火傷する前は普通に美人だった。

ショーンが敵を“バーベキュー”にする際に後ろを向いたままライターを投げていたが、一度投げて火が消えているのだから、余裕ぶっこいて格好つけられるシチュエーションではないと思う。なお、彼が「僕が気を逸らす」と意気込んで同行した赤ん坊救出作戦は陽動の前にほぼ完了しており、逆に彼の方が助けられるという阿呆ぶりを見せるのであった。阿呆の類友である。