オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ザ・コレクター』

Диггеры(Diggery/Diggers), 79min

監督:ティホン・コルネフ 出演:アンナ・ワシリエワ、ロマン・エフドキーモフ

★★

概要

モスクワ地下鉄(?)の怪人。

短評

ロシア製のB級ホラー映画。本格的過ぎるコスプレ女のメンヘラっぷりと寝取られ男の悲哀だけが印象に残って、本編であるはずの怪人系ホラーについての感想が「退屈」の一言しか思い浮かばない。恐怖、グロ描写、意外性のいずれの面においても良さを感じられなかった。全く怖くない。概要欄に「(?)」を入れたのは、舞台がモスクワかどうか分からなかったからである(全く集中できなかったので見逃している可能性がある)。

あらすじ

コスプレ・フェス帰りの自称ディナ(Mariya Shekaturova)、自殺志願の実業家レオ、ダーシャ(アンナ・ワシリエワ)とローマのカップル、謎の中国男、他一名を乗せた地下鉄の車両が終点で止まらず、その後、停電を起こして停車する。前方から悲鳴が聞こえて、六人は車両を脱出して歩き出すが……。それから五日後、ダーシャたちの友人レナ(Alena Savastova)とアルテムが、事情通のモヒカン男エゴールの協力を得て地下鉄の線路を捜索する。

感想

行方不明組と捜索組の両方が怪人に襲われてさあ大変、という話である。ファウンド・フッテージでもないのに画面がノイズと共に切り替わるのが気に食わず、時間軸が二つあることが恐怖演出として活きていないものの、真相解明に捜索組の存在が必要となっている。もっともその真相だって真相と言えるほどのものではないため(経緯の説明皆無で正体だけが分かる)、哀しき寝取られネタを成立させるためだけの設定だったようにしか思えない。

さて、その寝取られネタ。ダーシャはアルテムと浮気している。水路で溺死しかけたダーシャが走馬灯的にアルテムとのピロートークを思い出すというご丁寧な演出で紹介される(ここでおっぱいは見えないが、コスプレ会場にはおっぱい丸出しコスの女性がいる……と見せかけて、確認すると何かを“塗っている”ようにも見える)。怪人に追い込まれ、「ここは僕に任せて逃げろ!これが僕のプロポーズだ!」と盛大に死亡フラグを立てるローマ。その前のプロポーズでは答えをはぐらかしたダーシャだったが、この絶体絶命の状況で、あえて「ノー」を突き付けるという無慈悲ぶりを披露する。最初のプロポーズで察せられないローマにも問題はあるが、「あんたなんか愛してないわよ」とそのまま逃げるダーシャの逞しさに笑った。幼稚園の頃からダーシャに好きなものを奪われ続けているのに友人を続けるレナにも笑った。女性の人間関係は複雑ですね。

もう一つの見所のコスプレちゃん。キャラクターの名前ディナを名乗っているが、本名はマーシャである。彼女の凄い所は、なんと背負っている剣が本物だということ。飾りではないのである。これってありなの?本格的過ぎない?ロシアには銃刀法とかないの?「きっと私が願ったからこんなことになっちゃったんだわ……」と世界系のヒロインを気取って不思議ちゃん全開のディナだが、他人には厳しい。借金まみれの実業家レオが「俺もこの状況を願ってたんだよね。だから脱出路を見つけたけど嘘ついちゃった」と告白すると、彼女は剣で刺し殺す。言ってることは同じなのに……。

意味ありげな悪魔崇拝部屋を発見と見せかけて、テレビの撮影だったというシーンがある。レポーターを演じているのがヴァレリア・シュキランドで、観たばかりの『ガーディアンズ』にも出演しているので見覚えがあった。彼女が抜け毛に襲われるシーンがあるのだが、『バタリオン』では坊主頭が似合っていたので焦る必要はない。

意味ありげにアタッシュケースを手に繋いでいる中国男。彼が気付いたらいなくなっていたのだが、何か見逃しただろうか。

オウム真理教」はロシア語でも「オウムシンリキョウ」と発音するらしい。地下鉄で起きた事件繋がりで出てくる。

ザ・コレクター

ザ・コレクター

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