オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ガーディアンズ』

Защитники(Zashchitniki/The Guardians), 89min

監督:サリク・アンドレアシアン 出演:アントン・パンプーシュニー、セバスティアン・シサク

★★

概要

旧ソ連製のスーパーヒーローが旧ソ連製の怪人と戦う話。

短評

ロシア製のスーパーヒーロー映画。ふんだんに使用されているCGのクオリティが高く、ロシア映画という物珍しさはあるものの、これがハリウッド映画なら「クソみたいなB級映画」と一蹴しているに違いない。全編が驚愕の駆け足進行である。三つの単独作品の後に制作された『ジャスティス・リーグ』が120分を使って「ヒーローを集めて紹介するだけの集合映画」に終わってしまったのだから、単独作品なしに90分で集合映画をやること自体に無理があるのだ。2時間の映画にすればよかったのに……(それでも面白くなったとは思わないが)。これ以上CGに掛けられる予算がなかったのか。

あらすじ

ロシアのロボット兵器が暴走を始め、モスクワに侵攻する。その犯人は、かつて冷戦時代に“パトリオット計画”と呼ばれる超人開発プロジェクトに参加し、実験施設を壊滅に追い込んだクラトフ博士であった。施設爆破のどさくさで博士は怪人的能力を獲得し、後日、元々の専門であった遠隔操作技術“モジュール1”の開発に成功。博士を止めることができるのは、博士が生み出し、散り散りとなっていた超人たちしかいない。こうして“ガーディアンズ”が結成されるのである。

感想

ガーディアンズのメンバーを紹介していこう。一人目は、アルメニア在住のレア。ちょっと女の子っぽい名前だが髭面のおっさんである。彼の能力は“石使い”で、一見するとサイコキネシスっぽいが、操ることができるのは石や岩に限られているらしい。

二人目は、カザフスタン在住のハン。旧ソ連というだけあって国際色豊かである。彼の能力は、“超高速移動”。黒い残像が格好よくて、ダークヒーロー感がある。この二人はどこにでもいそうなスーパーヒーローである。

三人目は、シベリアの森の中で暮らすアルスス。狼男と区別がつきにくいが、ロシアらしく“クマ男”である。「元の姿に戻るのが難しくなってる」というハルクのような悩みを披露し、“完全クマモード”に突入するのだが、特に問題なく人間に戻っている。なお、完全クマモードの時にはズボンがハルクのような伸縮性を発揮することなく破れるのだが、人間に戻ると普通に“履いている”。どこから出てきた。完全クマの彼がエレベーターに乗って、他の二人が窮屈そうにするシーンが本作最大の笑いどころだった。

そして、最後の四人目は、モスクワのサーカスで活躍するクセニア(アリーナ・ラニナ)。紅一点のロシアン・ビューティーである。ガーディアンズのメンバーは1940年代から外見が変化していないらしく、クセニアは“老化しないロシア美女”という他の能力がなくても夢のような存在である(しかもボルシチ作りが得意なのだとか)。彼女の美貌と割れた腹筋(あとはクマかな)が本作の魅力の大部分を占めているので、例の如くインスタを貼っておく。

 
 
 
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クセニアの能力は、“透明人間”化。有史以来、透明人間というのは「男がなって女の裸を覗くもの」と決まっており、非常に珍しい……と言いたいところだが、これは『ファンタスティック・フォー』のスーザンと同じ。その上、「身体は透明化しても衣服は透明化しないので全裸になる」という定番描写に期待が高まるが、残念ながらクセニアは着衣のまま透明化できる(ちっ……)。ずっと透明のままで彼女の美しい顔が見られないのは困るのだが、あえて姿を見せているのか、一定時間が経過すると透明化できなくなるのか分からないシーンが多く、能力の分かりづらいキャラクターだった。また、「体温をコントロールできる」という能力があるはずなのに液体窒素で冷凍されていて、こちらもよく分からない。

四人を指揮するラーリア少佐(ヴァレリア・シュキランド)は、ルドミラ・ドラゴを彷彿とさせるオールバックが似合うロシアン・クール・ビューティーである。また、いちいち彼女の後ろにフォーメーションを組んで並ぶオペレーターの女の子たちも可愛くて、改めてロシア美女のブランド価値を認識させられるのであった。

申し訳程度に本編の内容についても触れておくと、特に問題も起きず四人のメンバーが集まり、何年も庶民暮らししていたのにヒーローとして戦う理由を提示することなく戦いはじめ、一度はクラトフに屈するが、パワー強化スーツを手に入れ(最初から使え)、いつの間にできるようになったのか分からない“ヒーロー元気玉”みたいなエネルギー砲で決着する。「テンポの良さ」では片付けられない駆け足である。「とりあえずヒーローを集めて敵と戦わせる」からの積み上げが何もない。もう少しなんとかならなかったのか。「続編あります!」というラストになっているが、果たして?(今のところはなさそう)

ガーディアンズ(字幕版)

ガーディアンズ(字幕版)

  • 発売日: 2018/06/19
  • メディア: Prime Video