オーガナザイズド

三十郎氏は映画とカメラと旅について語りたい。なお、実態はほぼ映画である。

『ビッグ・バグズ・パニック』

Infestation, 91min

監督:カイル・ランキン 出演:クリス・マークエット、ブルック・ネヴィン

★★★

概要

巨大な昆虫に襲われる話。

短評

コメディ要素強めの昆虫パニック映画。プライムビデオでは吹替版しか配信されていないのだが、「どうでもいい映画だし」と思って観ることにした。ところが意外にも普通に面白く、これなら字幕版で観たかった。昆虫のCGは(このジャンルにしては)割と高クオリティであり、終盤に登場する『エイリアン』を模したと思われる巣のセットも良く出来ている。主人公やお天気お姉さんのキャラクターも(それ程ではないが)愉快で、気楽に楽しめるB級映画らしい一作だった。なお、ヒロインのお姉さんはパッケージのセクシーなヘソ出しをしていない。

あらすじ

コネ就職を果たすも毎日遅刻ばかりしているクーパー。彼が解雇を言い渡されていると、突如として甲高い音が響き、気を失ってしまう。彼が目を覚ますと、彼も周囲の人々も白い繭に包まれており、巨大な昆虫が出現して目覚めた人々を襲う。社長の娘サラ(ブルック・ネヴィン)や同じビルで働く生存者と共に、クーパーは元軍人の父が暮らす実家を目指すことにする。

感想

ストーリーはシンプル。三十郎氏が一週間後に覚えているであろう本作の内容は、あらすじを読んで想像したものからほとんど変わらないだろう。(人件費の節約と)話を広げ過ぎて混乱させないために人間のほとんどは繭に包まれて眠ったままであり、大してパニックに陥ることもなく、主人公グループが昆虫の巣を爆破して問題解決というお約束の展開である。途中で拐われてしまったヒロインを主人公が救出し、ハッピーエンドに“その後”があるところまで含めて、意外性は皆無である。巨大昆虫出現の理由は、“雑に”どころか一切語られないし、皆気にする様子も見せない。

唯一「上手い」と思わせられた展開は、補聴器が故障して耳の聞こえなくなった黒人青年ヒューゴが、そのおかげで“女王”のスクリーム・アタックを回避できるというもの。冒頭から伏線を張っていたことにはなるが、逆にこれをやるためだけの設定だったとも言えるか。

昆虫はクワガタのようなビジュアルなのだが、人を“刺す”ことができ、刺された人は“クモ型ゾンビ”化する。ちょっとどういうことなのか分からないが、クモ型ゾンビのビジュアルが笑えたのでそれでいいだろう。昆虫映画の多くは昆虫の“気持ち悪さ”を利用してるように思うものの、本作の昆虫は体液が白くて粘り気もなく、グロテスクさは感じさせない。「あっさり」という言葉が相応しい描写だった。それは昆虫映画としては物足りないのだが、コメディとの相性は良かったか(と言っても、爆笑できるようなシーンはないのだが)。

意志薄弱で人に流されがちなお天気お姉さんのシンディ(キンジー・パッカード)。安全な屋内に残ろうとするクーパーに対して外に出ようとする死亡フラグ全開なマッチョについて行くも、「やっぱり残る」「やっぱり行く」と手の平をクルクルさせる。彼女がおっぱいを放り出して「私を守って」と誘惑するのに、流されることなくサラ一筋なクーパーの意志は強靭であった。サラの方が若くて魅力的だったからなのか。シンディがグイグイ来すぎて怖かったからなのか。それともおっぱいがシリコンっぽかったからなのか。彼女がサラとクーパーの仲に嫉妬して狂い、アルに射殺されるシーンは気持ちよかった。

ストーリー、笑い、映像と特段に優れた点はなかったが、特段に悪い点もないため、「別に吹替でもいいや」という低いハードルの助けもあって楽しめた一作ということになる。「ケチをつけて楽しむ」という特殊スキルは必要ないが、(クモ型ゾンビ以外は)何も印象に残らない。パニック要素は控えめなので、もう少しコメディとして上手く出来ていればより楽しい一作になっただろうか。サメ映画マラソンの時よりも評価基準が甘くてフェアじゃないな。

OPクレジットが無駄に長かった。

ビッグ・バグズ・パニック(吹替版)

ビッグ・バグズ・パニック(吹替版)

  • 発売日: 2019/04/11
  • メディア: Prime Video